関ヶ原合戦で負けても、江戸とは比べ物にならないほど繁栄していた「豊臣秀頼の大坂」

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「関ヶ原合戦に負けた豊臣秀頼の時代、大坂はすでに衰退していた」──そんなイメージを持つ人は少なくないかもしれません。だが、当時の大坂を歩いた外国人の記録や、オーストリアに残る屏風絵が語る風景は、まったく逆のものでした。

 船場を中心に一万五千軒もの店が立ち並び、日本一の商都として繁栄を極めていたのは、豊臣秀吉の時代ではなく、むしろ息子の秀頼の時代でした。江戸がまだ草深い田舎だった頃、大坂はすでに二十万都市として黄金期を迎えていたのです。
 
 国際日本文化研究センター名誉教授で近世史の第一人者である笠谷和比古氏は、新刊『論争 大坂の陣』(新潮選書)で、輝ける大坂の真実を描き出します。...

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