「高市さんから吉村代表に電話をかけてもらった」 高市早苗氏を救った維新サイドからのメールの内容とは
2年間の食料品消費税率ゼロ化
森山氏が続ける。
「議員定数削減の協議を始めるという合意であれば、よいことだと思います。でも、削減ありきで50議席をすべて比例区から減らすと最初から決めてしまうことには少し疑問を感じます」
この点、さる閣僚経験者も次のように指摘する。
「比例区は、小選挙区制の導入時に少数政党に対する配慮で設けたものです。維新だけではなく、すべての政党と協議しなければならない問題ですよ」
森山氏は「2年間の食料品消費税率ゼロ化」についても危惧している。
「食料品の消費税を0%にするには、代わりとなる年間約5兆円の財源が必要です。その財源をどこに求めるのかという議論がないと、まずいと思います。赤字国債を発行するなど方法はいろいろあるでしょうけど、そうした時に長期金利などにどう跳ね返ってくるか。そこは考えておかないといけない課題でしょうね」
「大阪府連は高市氏に裏切られた」
他方、大阪維新の会が発足した2010年以来、長く維新と対立を続けてきた自民党大阪府連も危機感をあらわにする。
前大阪府連会長の青山繁晴参院議員(73)が言う。
「自民党は昨年の総選挙で、府内に19ある小選挙区のうち4選挙区を公明党に譲りましたが、残った15選挙区で維新に全敗しています。その維新と連立を組むとなると今後、選挙区調整が必要になるはずですけれど、維新が金城湯池とする大阪で選挙区を譲ってくれるなんてあり得ません。自民党が国政選挙で候補者を立てられないなら、大阪府連が存在する意味はなくなってしまいます」
皮肉にも青山氏はじめ、大阪府連の所属議員の多くは先の総裁選で高市氏に票を投じている。前出のデスクが言うには、
「維新との連立を画策した小泉氏と異なり、高市氏なら国民民主と組むことを目指すだろうから、選挙区調整も多難ではないと見込んだためです。大阪府連は完全に高市氏に裏切られた格好といえます」
府連幹部が嘆息する。
「党本部が決めた中央での連立と地方のあり方をどう突き合わせるのか、せめて整理は必要やと思いますね。党本部が維新と連立しますと言うても、たとえば仮に吉村さんが選挙に出ますと言うたら、僕らは当然、対抗馬を立てるわけですから。高市さん、どっちの応援入るんですかっちゅう話やと思いますがね」
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