「高市さんから吉村代表に電話をかけてもらった」 高市早苗氏を救った維新サイドからのメールの内容とは

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「吉村代表に電話をかけてもらった」

 自民党総裁選で小泉氏(44)の勝利に賭けたと目されていた維新が、高市氏と手を結ぶことを決めたのだ。

 維新の藤田文武共同代表(44)と、官房長官就任が早くから内定していた自民の木原稔氏(56)は以降、連立協議への地ならしを進めた。

 木原氏を通じて維新側の“条件”を伝え聞いた高市氏は「これならできるわ」と前向きな姿勢を見せたという。遠藤氏いわく、

「ただ、トップ同士で話をせえへんかったら、いくらやったっていい話にはならないから。僕が高市さんと吉村(洋文)代表(50)にお互いの携帯電話の番号を伝えた上で、13日に高市さんから吉村代表に電話をかけてもらいました」

 この13日は、大阪万博の閉会日と重なっていた。日程が立て込む吉村氏に対し、高市氏は指定された時間きっかりに電話をかけ、連立に向けた強い思いを自らの言葉で伝えた。が、それはギリギリの勝負でもあった。

「維新との太いパイプを築いたのは菅義偉氏(76)。麻生太郎副総裁(85)の政敵です。麻生氏の義弟にあたる鈴木俊一幹事長(72)も当然ながら維新に人脈がなく、高市氏自ら交渉に乗り出さざるを得なかった面があります」(前出の政治部デスク)

連立の方向性を憂慮する声も

 維新は16日からの公式の協議で「副首都構想」のほか「企業・団体献金廃止」「2年間の食料品消費税率ゼロ化」「国会議員定数削減」など12項目を要求。20日に締結された連立の合意書にも12項目が明記された。

 このうち維新が絶対条件として突き付けた議員定数削減について、自民党の古屋圭司選対委員長(72)は、

「自分が当選した当時、衆院議員は512名でしたが、今は465名まで削減されました。自分も昔から定数の削減はやろうと言っているんです。特に比例区の人数は、もっと少なくていいと考えています」

 だが、自民党内には連立の方向性を憂慮する向きも少なくない。森山裕前幹事長(80)もその一人。

「私がこの夏、維新と連携について話し合っていた頃と比べると(連立入りの)ハードルは高くなったと感じます。12項目の中には、私が知らない内容がいくつも含まれていました」

 先の政治部デスクの解説。

「進次郎総裁・総理の誕生を前提に維新は森山氏らと協議を進めてきました。が、もちろんそれは公明の離脱前の話です。パートナーを失った自民党の足元を見て維新が態度を変え、さらに条件を積み上げてきたということでしょう」

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