5回もメジャー・デビューした歌心りえ、長い“下積み時代”経て30年越しにブレイク! 50代で全国ホールツアー開催までの「軌跡」と「奇跡」
メジャー・デビュー前の作品はファースト・レディーの前で歌ったものも
その歌心りえ名義でのメジャー・デビュー前の作品は、Spotifyの人気曲では第3位に「tomorrow」、第6位に「ここはふるさと」、第14位に「わが故郷は」、そして第15位に「We love the EARTH from HIROSHIMA」と4曲がランクインしている。彼女が『トロット・ガールズ・オーディション』で注目されてから、過去の楽曲が掘り起こされていることも人気の要因だろう。
「聴いていただけて嬉しいです! この4曲は、広島在住のビオラ奏者、沖田孝司さんからオファーをいただいて作りました。沖田さんとはSeptemberの広島出身メンバー・Qoonieを通して知り合ったので、かなり長いお付き合いになりますね。出会ってからは、沖田さんが主催なさっている平和の集いに呼んでいただくなど、広島に行く機会が多くなりました。そして、沖田さんが作詞・作曲された楽曲を広島にゆかりのあるシンガーが歌うという試みに私も参加させてもらい、これらの曲が生まれたんです」
いずれも清らかなメロディーの穏やかな楽曲で、「言葉を丁寧に紡ぐように歌う」という歌心りえの原型が、ここでできたのではないかと思えるほどだ。
「沖田さんが作られる楽曲は、合唱曲のようなものも含め、みんなで口ずさみやすいものが多いんです。この4曲の中では特に、『We love the EARTH from HIROSHIMA』が思い出深いですね。’23年に広島でG7が開催された際、各国のファースト・レディーたちの前で、英語バージョンにして歌ったんですよ。そこでちょっとは自信がついたことも、『トロット・ガールズ・オーディション』への応募につながっていると思います。
実は、この数年前に声帯を痛めてしまい、全く歌えないという日々があって……。そこから発声法を変えて、リハビリのようにして人前で歌うことを、少しずつクリアしていた時期だったんです」
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