「バンド活動しながらヘラヘラ生活できると…」 高市早苗氏が政治家を志す前夜の素顔 「保守的なイメージはなかった」
【全2回(前編/後編)の前編】
株式市場では「サプライズ」と受け止められ、国内外の企業が対応に追われることになった「高市早苗総裁誕生」。では、彼女が政治のかじ取りを担うことによって、日本はどうなるのか。外交、経済・財政……さまざまな面から検証する。
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高市氏は総裁就任からわずか3週間余りで日米外交にとって極めて重要な舞台に臨むことになる。10月下旬の来日に合わせて28日に予定されているドナルド・トランプ米大統領との首脳会談である。
アメリカの政治・外交が専門の上智大学教授・前嶋和弘氏が話す。
「トランプ大統領がいまだに一番信頼しているのは故・安倍晋三元首相です。高市さんが首相になることで、安倍氏の愛弟子だとアピールできるのは良いポイントです。ただ、トランプはトランプです。先日、ホワイトハウスで述べたのと同様に、対米投資の5500億ドル(約80兆円)は“前払い”などと言い出されたら、高市さんとしてはどうしようもありません」
「現実主義的で実務的な政策を多面的に研究」
同志社大学大学院教授・三牧聖子氏は、
「今回のトランプ大統領の訪日は“顔見せ”的なものにとどまる可能性もありますが、早晩、対米投資に関する厳しい要求が来るのは確実。投資だけではなく防衛費の大幅増額、NATO水準のGDP比5%に引き上げろ、と要求される可能性も高まっています」
中国との関係を考える上でも日米関係にほころびを生じさせないことが重要、と説くのは京都大学名誉教授の中西輝政氏である。
「現在、米中対立が深まっているため、中国は日本に接近し、日米関係を分断させようとしています。トランプ大統領が関税問題などで日本に厳しい要求を突き付けている状況をじっと見ており、日米関係にひびが入れば“しめしめ”と考えるに違いありません。一方で、高市さんが日米関係を堅固にするよう努力すれば、中国は日本に対してソフトに出てこざるを得なくなります」
中西氏は高市氏を「安倍元首相の正当な後継者」として高く評価しているという。そのポイントは、
「高市さんには強硬な保守派というイメージがありますが、実は彼女には実務的な面もあります。理念と現実主義の二つの面がなければ真の保守のリーダーとはいえません。今回の総裁候補の中では高市さんより茂木(敏充)さんや林(芳正)さんの方が外交経験は豊富です。しかし、高市さんは現実主義的で実務的な政策を多面的に研究し、対処する能力が高い」
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