「バンド活動しながらヘラヘラ生活できると…」 高市早苗氏が政治家を志す前夜の素顔 「保守的なイメージはなかった」

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「五年間バンド活動しながらヘラヘラ生活できると思っていた」

 松下政経塾に入ったのは、公務員試験の〈滑り止め〉のつもりだった、と自著『30歳のバースディ』にはつづられている。

〈当時の私は、松下政経塾っていうのは松下電器産業の未来の経営幹部を育てる学校だと思っていた。その程度の認識だった。(中略)塾なんだ。学校みたいなものだ。それでいて毎月の給料をもらえるんだ。こんなにいいことはない。また五年間バンド活動しながらヘラヘラ生活できると思っていた〉

 ちなみにこの本では、

〈お酒の思い出といえば、地中海で、海の見えるホテルの部屋で、飲みィのやりィのやりまくったとき〉

 などと、自身の恋愛遍歴も明かしている。

サッチャー元首相に心酔

 一体いつどこで保守政治家を目指すスイッチが入ったのだろうか。

 高市氏と親交がある政治解説者の篠原文也氏の話。

「松下政経塾で学んでいる時、彼女はアメリカにも渡っています。民主党の有力女性議員の個人事務所で仕事していたという話だから、かなり触発されたはずです。彼女はイギリスのサッチャー元首相に心酔していて、強い女性に憧れを抱いていたんじゃないかな。帰国後、食事をした際に“政治家になりたい”とはっきり言っていました」

 93年の衆院選に無所属で出馬して初当選。自由党(柿沢自由党)や新進党を経て96年に自民党に入党。翌年、彼女が参加した「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の事務局長を務めていたのが、安倍元首相だった。この会での活動が、安倍元首相と「国家観」を共有していることを確認し合う契機になった、と彼女は著書『日本を守る 強く豊かに』で明かしている。

 後編【高市早苗首相で「靖国参拝」はどうなる? 経済政策の足かせになる“重鎮”とは? 政策面を徹底検証】では、高市首相誕生で日本はどこに向こうのかについて、政策面から徹底検証する。

週刊新潮 2025年10月16日号掲載

特集「まさかの自民総裁選 85歳の怪物『麻生太郎』に牛耳られる『高市早苗』」より

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