「おねえちゃん浮気してる」ワンオペ育児の完璧パパに義妹からの密告 家庭を守りたい夫の“悲しき計算”とは
【前後編の前編/後編を読む】息子夫婦に「レス問題」が発覚 このままでは孫が…63歳夫が走ってしまった“許されない解決策”
【後編を読む】息子夫婦に「レス問題」が発覚 このままでは孫が…63歳夫が走ってしまった“許されない解決策”
不倫が「いいこと」でないのは誰もが知っている。だが、その中でも「こういうことはあり得る」「やむを得なかった」と思われるものと、「これは許されがたい」と認識されるものがあるように思う。
もちろん、許されがたい不倫であっても、当事者にはそのときどうしようもない事情があったかもしれない。結婚外の恋愛が遊びに近いものなのか、命の火を燃やすほどに深刻なものなのかは誰にもわからない。ただ、起こってしまった事実は変えられない。
「僕は許されがたい不倫をしたんだと思います」
曽川哲朗さん(63歳・仮名=以下同)は小さな声でそう言った。「思います」というところに断言できない複雑な思いが感じられる。
哲朗さんとは1年近く、断続的にメールのやりとりをし、数回会ってきた。ちょっとした恋心が徐々に燃え上がり、ついにはにっちもさっちもいかないところまで進んだ。ほころびは多岐にわたり、もう繕えそうにはないところまで来ている。
哲朗さんの半生
とある県の県庁所在地に生まれ育った彼は、東京の大学に進学して大手企業に就職した。だがどうしても職場の人間関係になじめず、休職や復職を繰り返したものの、ついに帰省して地元企業に転職した。26歳のときだった。
「地元に帰ってきてホッとしました。僕にはせわしい東京の暮らしは向いていない。こっちで会社員をしながら、親や親戚がやっている農業を手伝って……。やっと自分らしい生活ができるようになりました。当時は負け犬になった気持ちも強かったけど、どうしても向いていないものはしかたないと、数年後にはあきらめがつきました」
小中学校をともにした仲間とも再会、その中でも当時片思いをしていたルミさんに会えたのがうれしかったという。商店を経営していた父親が急逝したため、ルミさんは通っていた短大を退学して商売に明け暮れてきた。それが少しずつ実を結び、そのころには市内にもう1軒、店を出すほどになっていた。
「ルミと再会したとき、僕は彼女と結婚することを決めていたような気がします。忙しいという彼女を粘り強く説得してデートに誘い、僕はきみのために生きると口説きました」
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