「SIAM SHADE」ギタリストがメンバー4名を提訴 「シャムシェイド」名での活動と「1/3の純情な感情」を含む楽曲の演奏差し止めを求める 背景には7年にわたるメンバー間の訴訟トラブルが

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

トラブルの発端は

 トラブルの発端は2018年のこと。SIAM SHADEは既に解散していたが、グッズ販売や、限定復活した際に出た収益金の使途を巡って、DAITA以外のメンバーからバンドの関係先に2通の内容証明郵便が届けられたという。

 一つは、東日本大震災の復興支援を行っている一般社団法人へ。もう一つは、SIAM SHADEの復活ライブの際、グッズ製作を請け負った販売会社宛てであった。

 2011年、東日本大震災が発生した。これを受けてSIAM SHADEは限定復活し、復興支援チャリティーライブを2会場で実施。その収益は、日本赤十字社に寄付するという案も出たが、元所属事務所代表のアドバイスや、DAITAの勧めもあり、彼の知人である、岩手県内の一般社団法人へ寄付することになったという。しかし、次第に、DAITAを除くメンバーは、疑念を抱くようになった。寄付先がネイルサロンを運営していることがわかり、寄付金が復興支援とは関係ない事業に流用されているのではないか、と疑ったのである。

 また、解散後、SIAM SHADEのライブやグッズ販売などの収益の管理業務と各メンバーへの分配は、DAITAの個人会社が実務を請け負っていた。これは受け皿となるような法人を持っているのが彼しかいなかったからだが、何がきっかけか、4名のメンバーは、DAITAの会社が収益を“中抜き”しているのではないか、と疑い、それを確かめるため、グッズを製作した販売会社に請求書を出すようにと要求したのである。

 もちろん支援団体やDAITAは疑いを否定したものの、他のメンバーは納得しないままだった。そして2021年、支援団体に対し、寄付金の返還などを求めて訴訟を提起。そしてDAITA個人に対しても、不当に利益を得てきたとして、損害賠償請求訴訟を提起したという。

 こうしてかつてのメンバーが法廷で火花を散らすことになったわけだが、結果を先に言えば、原告側の訴えは通らなかった。まず、支援団体を相手取った裁判では、翌年の2022年、原告敗訴の判決が下された。裁判所は、メンバー側が寄付金の使途を細かく指定していたわけではなく、また、ネイルサロン事業も被災者の雇用創出のものだと認定。つまり、寄付金は正しく使われていたと判断したわけである。一方のDAITAを被告とした裁判は長期化したが、昨年10月にようやく和解が成立。

 DAITAによれば、

「彼らが請求していた金額に関して、私の側には何の支払いも求められませんでした。係争状態になったために滞っていた2018年以降の収益を分配し、販売会社に残っていたグッズなどを引き取ることなどが定められただけです。つまり、私の側に不正がなかったことが立証されたのです」

次ページ:元リーダーの声明

前へ 1 2 3 4 次へ

[2/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。