「SIAM SHADE」ギタリストがメンバー4名を提訴 「シャムシェイド」名での活動と「1/3の純情な感情」を含む楽曲の演奏差し止めを求める 背景には7年にわたるメンバー間の訴訟トラブルが
「SIAM SHADE」は、1990年代に流行したビジュアル系バンドの代表格のひとつだ。2002年に惜しまれつつ解散したが、その後、期間限定で復活すること4度。代表曲「1/3の純情な感情」はいまなお、さまざまなシーンで演奏されるスタンダードナンバーとなっている。しかし、その人気バンドのメンバーが、残りのメンバー4名を、計38曲の楽曲の演奏と、「SIAM SHADE」名での活動の差し止めを求め、この8月に提訴していた。一体、何が起こっているのか。原告となったメンバー・DAITAが取材に応じ、その理由を明らかにした。
【前後編の前編】
***
ファンへの裏切り
〈被告らは、別紙記載の楽曲を使用してはならない〉
〈被告らは、SIAM SHADEの名称にて演奏活動、芸能活動を行ってはならない〉
そう記された訴状が東京地裁に提出されたのは、8月27日のこと。原告はSIAM SHADEのメンバーであるDAITA。被告は残りのメンバー・NATCHIN、栄喜、KAZUMA、淳士の4名である。演奏停止を求めている曲はDAITAによる作曲、編曲の計38曲に及び、その中には「1/3の純情な感情」も含まれている。
SIAM SHADEは1993年に結成、1995年にデビューした、ビジュアル系ロックバンドだ。1997年、アニメ「るろうに剣心」のエンディングテーマとなった「1/3の純情な感情」が80万枚のヒット。一躍人気バンドとなった。2002年に解散したが、その後、2007年から2016年の間に4度に亘って期間限定復活し、ツアーなどを開催してきた。
解散後、メンバーはソロで音楽活動を続けているが、解散から20年以上も経った今、なぜ1:4に分かれ、争っているのか。
「ファンのためにも、SIAM SHADEというバンドのためにも、自分自身の名誉の点でも、今の4名の活動には強い危機感を覚えています」
そう語るのは、原告で、バンドではギターを務めたDAITAである。
「彼らはいま、私以外のメンバーをバンドに加え、ファンがSIAM SHADEの活動であると誤認しかねない形でライブを行っている。この動きは今後も続いていくでしょう。そうなればファンへの裏切りであり、また、私の権利を侵害しかねないものになるのは間違いありません」
訴訟の背景には、長きに亘った両者の確執がある。以下、DAITAへの取材と資料を元に、それを詳らかにしてみよう。
[1/4ページ]


