祖父の代からシェイクスピア一筋 小田島創志氏が語る「戯曲翻訳家」の世界

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“特別な感慨”を覚えた作品

 今年は1月から2月にかけて上演された「ケイン&アベル」から、年末に新国立劇場で開幕する「スリー・キングダムス」まで、翻訳を担った10作品が上演される。意外なことに、今年4月に閉館した東京・六本木の俳優座劇場の最終公演で上演された「嵐 THE TEMPEST」 「リチャード三世」「ロミオとジュリエット」の3作が、創志氏が初めて取り組んだシェイクスピア作品だった。

「以前に祖父が翻訳した作品で、それを自分が訳すのは初めてで特別な感慨を覚えました。多くの作品には、祖父に限らず先人たちによる蓄積がある。いつもはダジャレばかり言っている祖父ですが、彼の偉大さが分かった気がします」

 昨年、結婚したお相手は劇作家で戯曲翻訳者の一川華(いちかわなな)。日本で最もシェイクスピアを愛する一家といえそうだ。

週刊新潮 2025年9月11日号掲載

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