妻と前夫の「離婚理由」が聞いていた話とぜんぜん違った…娘の習い事めぐり“裏の顔”も明るみに 46歳夫が下した結論は

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みんなが私に冷たい…美知代さんの涙

 こんな夫婦関係でいるのは娘に申し訳ない、なんとかうまくやれないかと美知代さんにしみじみ伝えたこともある。だが美知代さんは、「みんなが私に冷たい」と泣き出した。彼女にとって何が不満なのか、どうすれば穏やかな日常が送れるのか、それを考えてもらいたいと言ったが、美知代さん自身、よくわからないとうつむくばかりだった。

「だったら黙ってオレについてこいと言いたいところですが、僕は人を従わせたくはない。人に何かを強要もしたくない。だから美知代には美知代自身の性格や人生をよく考えてほしいんです」

 妻も娘も、いつしか前夫には会わなくなっていた。娘は自分を選んでくれたのだと啓輔さんは確信している。いつの間にか、自分の子がほしいという執着もなくなった。

「ごく普通の人間ですから、独身同士で結婚して子どもがいる普通の家庭をもつだろうと漠然と思っていたけど、そうはならなかった。自分の子ももてず、妻の二面性を結婚後に知り、たいして仲もよくないけど別れずにいる。それもきっと、僕が娘と出会うためだったのかもしれないと最近は思います。娘は本当に宝物。この宝物が彼女の望み通り、自立していくことを手助けできればいいなというのが、今のいちばんの望みです」

 いつかは妻とも穏やかな生活がやってくるかもしれない。あるいはもっと修復のきかない関係になるかもしれない。それはわからないが、できる限り、いい関係に変えていきたいと啓輔さんは言った。

「なんだかわからないけど、この母娘に関わった以上、なんとかするしかないんだろうと思うんですよ」

 美知代さんが自分の幸福に気づく日は来るのだろうか。

 ***

 あくまでも妻に寄り添い続ける姿勢を啓輔さんは貫いている。「自分の子供」が欲しいという彼の願いにも、美知代は答えなかったにもかかわらず……。【記事前編】で、2人の夫婦関係の始まりを紹介している。

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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