妻と前夫の「離婚理由」が聞いていた話とぜんぜん違った…娘の習い事めぐり“裏の顔”も明るみに 46歳夫が下した結論は
友人の美知代さん評は…
それと前後して、美知代さんのことをよく知る芙実さんという女性を前夫から紹介された。美知代さんの中学時代からの友だちだという。会ってみると、美知代さんと知り合ったスナックで顔を合わせたことのある女性だった。
「ただ、彼女は僕が店に通い始めてから間もなく、夫の転勤で越していったので、そんなに親しいわけではなかった。その後、また転勤で戻ってきたと言っていましたが、子どももいるのでほとんどスナックには来ていない。美知代の元夫と偶然会って、今の美知代のことを知ったそうです」
芙実さんは決して美知代さんの悪口を言わなかった。ただ、「あの子は昔から二面性があるというか。おかあさんがよく、うちは母子家庭だからあの子は変に人に媚びたり阿ったりする癖がついてしまったのかしら、自分の欲望にだけはすごく忠実なのよねと言っていた」とだけ述べた。
「美知代の特徴がよく表れた言い方かもしれません。僕自身は、ごく一般的なサラリーマン家庭で生まれ育って、そこそこの大学を出て就職した、本当に普通の人間なので、美知代の苦労はわかってやることができなかった。苦労はわかっても二面性を理解するのはむずかしいことですしね」
その後もときどき芙実さんと連絡をとった。芙実さんのパート先が啓輔さんの勤務先と近かったため、一緒にランチをとったこともある。
「それから娘は中学入学を機にピアノをやめました。妻は『ここでやめたら負け犬よ』と言い張ったけど、そういう言い方はやめろと僕は珍しく怒ったんです。娘はホッとしたみたいでした。バレーボールをやりたいからやめる、と妙にあっさりしていたので、大丈夫かなと思っていたけど、気持ちを切り替えるのが上手な子なのか、本心を見せないのか。ただ、その後は勉強もそこそこいい線いっているし、バレーも楽しそうでした。試合のときは僕もよく駆けつけましたよ。美知代は納得がいかなかったのか、娘のバレーには無関心でしたね」
突然の爆弾投下
娘が第一志望の高校に合格したとき、彼は娘からハグを求められた。「啓ちゃんのおかげ」と娘は言った。その瞬間、美知代さんが写真を突きつけてきた。
「あなたがどうして芙実と会ってるのって。いきなりですよ。娘の合格がわかって喜んでいるところへ、どうしてそういう爆弾投下させるかなという感じですよね。僕は芙実さんとはまったくやましい関係ではないから、偶然会ってお茶をしたと言いました。殴りかかってきた妻の手首をつかんで、『やめなさい』と毅然と言いました。そのとき、娘の顔がふっと曇ったんですよ」
4歳のときの記憶が蘇ったのかと彼はハッとしたが、落ち着いた口調で「オレは浮気はしないから」と娘に向かって言った。
「内心、ちょっと危ねえと思ったところはありましたが。もちろん芙実さんとどうこうなるとは思っていなかったけど、僕も男ですからいつどんな間違いがあるかわからない。ただ、何かしでかしたら、美知代は娘を人質にとって僕を脅しにかかるんだろうと確信しました」
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