日本を代表するギターメーカー「ESP」が“職人養成学校”にこだわる理由 「ゼロから教えて、卒業までに25本のギターを作った学生も」

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音楽好きの輪を広げてほしい

 授業では工具の使い方など、基礎の基礎から学んでいるが、ユニークなものでは“ギター史”の授業がある。なんと、ギブソンやフェンダーの歴史まで教えるというから驚きである。それは、何よりもギター作りの伝統を大切にしたいという思いがあるためだろう。ちなみに、卒業後に他社に就職する生徒もいるというが、それも大歓迎と高山氏が言う。

「というより、日本国内のメーカーが当校の卒業生だらけで、それこそ各社にいるんですよ。楽器店のスタッフにも卒業生がいます。他社をライバル視することはありません。当校の基本理念としては、ESPだけでなく、いろいろなところでも活躍していただき、音楽好きの輪を広めてもらうことです。

 そもそも、音楽が好きでないとギター職人を目指さないと思うんですよ。コロナ渦のとき、卒業生がギターを弾く動画を配信しましたが、そういった地道な活動を見てすごく感銘を受けました。技術は長く一生懸命にやっていれば後からついてくるので、卒業生には技術を磨き続けることはもちろんですが、ぜひ、若い世代に音楽、楽器を好きになってもらえるような活動もしてほしいと思っています」

 第1回【THE ALFEE高見沢の「エンジェルギター」を手掛ける「日本が誇るギターメーカー」…最大のポリシーは「なんでもやってみる」】では、ギターメーカー「E S P」の工房を訪ね、錚々たるアーティストが愛用してやまないギターが作られる現場の様子を詳細にリポート。こちらもぜひお読みください。

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