「高額ボーナスをもらうために世界記録を1センチずつ更新して…」 棒高跳び選手セルゲイ・ブブカの“貪欲さ”の理由(小林信也)
世界陸上6連覇の偉業を達成し〈鳥人〉と呼ばれたセルゲイ・ブブカが棒高跳びに出会ったのは9歳の時。街のスポーツクラブで棒高跳びの練習を目にしたブブカ少年は、一目で“人が空を飛ぶ光景”に魅了された。
(自分も空を飛びたい)
家の近くで適当な棒を探し、それを両手で握りしめて庭のフェンスに向かって走った。
すぐには跳び越せなかった。何度も挑み、何度も失敗した。それでもブブカはあきらめなかった。やがて、握りしめた棒の反発力をもらって体を浮かせる感覚に気付くと、ブブカの中に成功の予感が芽生えた。...

