“母は社長愛人だったの…”妻の悲痛な告白にも「ふふふ」と笑う42歳夫 それでも学んだ「これが愛かも」

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【前後編の後編/前編を読む】28歳で結婚→2年で離婚、32歳で再婚→3年後にまた離婚…「女が嫌い」とやっと気づいた42歳夫の人格はどう形成されたか

 バツ2の秋川徹治さん(42歳・仮名=以下同)は、現在3回目の結婚生活を続けているが、3年目にして再び不穏な状況だという。彼が生まれ育ったのは、不倫相手との家庭に移ってしまい、母も複数の男性と関係を持つなど複雑な環境だった。大学入学を機に徹治さんは実家を出たが、その後すぐ、自殺か事故か定かでない形で母は亡くなってしまう。「母への恨みつらみが噴き出た」という徹治さんの“歪み”は、そのまま女性関係に現れ、人妻との交際、28歳の時に結婚するも彼の不貞で離婚、32歳での再婚もやはりすぐに破局という経過をたどった。「軽い気持ちでつきあうな」と説教をされても、徹治さんは全く理解できないのだという。

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 35歳でまたも独身となった徹治さんは、もう結婚はやめようと思った。ひとりで生きていけるならふたりになる必要もない。

「そもそも感情のありようが歪んでいるという認識はもちました。オムライスが好きというのと結婚相手が好きというのに違いがないんですよ、僕は。先輩がいう特別な感情が欠けている。だったらひとりでいい。友人となら気軽につきあえるし、しちめんどくさいことを考えずにすむ」

 幸い、家庭をもたなければ一人前ではないといったパワハラを受ける環境にもないから、その後はひとりの生活を淡々と過ごしていた。誰かと話したいときは会社近くのバーで常連さんたちと他愛もない会話を楽しむ。そうだ、これでいいんだとようやく独身を貫く覚悟のようなものができていった。

かつてのあの人との再会

 そんなとき、かつてつきあっていた人妻の紗絵さんと再会した。12年ぶりに会った彼女は、妙に艶っぽい大人の女になっていた。

「そのバーにいたんですよ、彼女。ひとりでぼんやりカウンターに座っていた。最初、僕、わからなかったくらい。話しかけられて、紗絵だとわかった。彼女も近くで働いていて、たまたま初めて入ってみた店だったと」

 若い日の苦さが蘇ってきた。紗絵さんは長い髪をかき上げながら「あのときはごめんなさい」と頭を下げた。あのあと彼女は子どもをひとりもうけたが結局は離婚したのだという。

「今はその娘が10歳になったと。実母と同居しているので、私はほぼ父親みたいなもの。一生懸命稼いできたのよと笑っていました。僕が2度離婚したと言ったら、『ああ、あなたはそういうタイプかもね』って」

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