ソ連に11年間抑留され「謎の死」を遂げた近衞文麿の「長男」 なぜ近衞家の次期当主は二等兵として前線部隊に送られたのか
80年前の12月16日未明、GHQ(連合国軍総司令部)から戦犯指名を受け、自邸にて自殺を遂げた近衞文麿。日中戦争勃発から太平洋戦争直前まで、3度にわたり首相を経験した文麿のことを、結果的に日米開戦を回避できず多大な犠牲を生んだ戦争指導者として記憶する人は多い。実は、その文麿の長男である文隆は、陸軍の二等兵として旧満州のソ連国境付近に出征し、戦後はソ連で11年にわたる抑留生活を送っていた。その「数奇な人生」について語るのは、近衞家の次期当主で、近衞文麿の曾孫にあたる近衞忠大(ただひろ)氏(55)である――。...

