夏に温泉と一緒に訪れるのに最適な城 上田城、丸岡城、松本城…では1位は
キリシタンの殉教に思いを馳せる城と温泉
第2位には島原城(長崎県島原市)と原城(長崎県南島原市)の2つを挙げます。島原城は、キリシタン大名だった有馬晴信の旧領に封じられた松倉重政が、4万3,000石の禄高にそぐわない規模で築いた壮大な城です。築城のためにも領民たちから過酷に取り立て、また重労働を科した結果、寛永14年(1637)に発生した史上最大の一揆、島原の乱を招いたのです。
昭和39年(1964)に鉄筋コンクリート造で復興された天守や、その前後に復興された3棟の三重櫓が建ち、天守の内部はキリシタン関係の博物館としては、日本有数の充実度です。2025年3月には国指定史跡になったばかりでもあります。
続いて、海に突き出した原城は、有馬晴信が大きく改修した城ですが、それ以上に、廃城になったのち、島原の乱で天草四郎を総大将とする一揆軍が立てこもったことで知られます。3万7,000人と記録される(1万人以上少なかった可能性も指摘されます)一揆勢が寛永15年(1638)2月28日、幕府側の討伐軍の総攻撃で皆殺しにされた悲劇の城です。
乱の制圧後、徹底的に破壊されましたが、平成4年(1992)から毎年重ねられた発掘調査を経て、その姿が明らかにされています。現在では、門や櫓の跡、残された石垣などもかなり整備され、一揆軍の動きを追うことも、鎮圧後、どのように破壊されたかを見ることもできます。
これらの城とセットでぜひ訪れたいのが雲仙温泉です。雲仙天草国立公園内にあり、硫酸酸性の濃い硫黄泉が特徴です。リラックスできるのはもちろんですが、地底から蒸気と熱気が噴き出す「地獄」と呼ばれる名所も見逃せません。ここでは多くのキリシタンが、逆さ吊りで熱湯に浸けられるなどして殉教しました。それも島原の乱の一因になったのです。
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