夏に温泉と一緒に訪れるのに最適な城 上田城、丸岡城、松本城…では1位は
2つの国宝天守と歴史的名湯
第4位は松本城(長野県松本市)です。現存12天守のうち、姫路城とこの松本城だけが5重です。しかも、姫路城の白亜と対照的に漆黒で、実際、下見板には黒漆が塗られ、毎年塗り替えられています。また、大天守の左に渡櫓と乾小天守、右に辰巳櫓と月見櫓を従えたシルエットは、絶妙に均整がとれていて美しいです。
大天守は大坂夏の陣が起きた慶長20年(1615)年ごろの創建とされますが、乾小天守は文禄年間(1592~96)の建築の可能性が高く、そうなら日本最古の天守建築ということになります。また、松本城は平地に築かれた平城なので坂がなく、暑い夏に訪れやすいのも特徴です。
市内には1000年以上の歴史があり、江戸時代には松本藩主の奥座敷でもあった浅間温泉があります。アルカリ性単純温泉で、宮家や文人らにも好まれた名湯です。
松本城天守は国宝ですが、第3位も国宝の天守がある松江城(島根県松江市)です。慶長12年(1607)ごろに工事がはじまり、慶長15年(1610)末に完成したこの天守は、現存12天守のなかでは、1階の床面積が姫路城に次ぐ2番目、高さは姫路城、松本城に次ぐ3番目の規模で、どっしりとして存在感があります。各階とも軒裏が白木のままなので、古風で無骨な印象も受け、それがまた魅力です。
天守以外にも、標高28.4メートルの亀田山に築かれた石垣や、その周囲の堀などもよく残り、その周囲の外堀等も日本の城では例外的によく残っています。堀川めぐりの遊覧船に乗れば、天守を眺めながら城の周囲の堀をめぐることができ、暑い夏にぴったりです。
市内には『枕草子』にも記された玉造温泉があります。古くから美肌の湯として知られ、さる製薬会社の調査では、ここの泉質には化粧水に匹敵するほどの潤い効果があると評価されています。
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