漫画家「水木しげる」は、なぜ「忠誠心と責任感にあふれる日本軍参謀」を告発したのか?
漫画家の水木しげるさん(1922~2015年)が、2025年7月に「コミック界のアカデミー賞」とも言われるアイズナー賞で殿堂入りを果たした。水木さんは『総員玉砕せよ!』という作品で2012年にアイズナー賞最優秀アジア作品賞を受賞しており、この作品への高い評価が今回の殿堂入りの背景にあったものと考えられる。
さて、この『総員玉砕せよ!』の作中には、兵士たちに自決や玉砕を迫る木戸参謀という人物が登場する。じつはこの木戸参謀には実在のモデルがいて、彼自身が戦後に出版した日記や回想録の内容から、忠誠心や責任感にあふれる元軍人として知られていたという。...

