家が火事で全焼した「メンタルどん底家無し野郎」の心を救った出来事とは? 書店員芸人・カモシダせぶんが明かす

エンタメ

  • ブックマーク

大会がきっかけで出版

 この回は本当にレベルが高く、私自身も仕事のあり方について考えさせられた。彼らは学業という本分をきっちりこなしつつ、自分の大好きな本のプレゼンを丁寧に、そしてものすごい情熱を込めてつくり上げている。その熱さは私の家を燃やした炎以上だったと思う。

 私も舞台でネタをやりながらTVで本の紹介をすることが多かったので、もっとこの子たちぐらいしっかりやらねばと身が引き締まった。その影響で3年後、「アメトーーク!」という人気番組に出演できた。あの子たちに心から感謝を伝えたい。

 ちなみにこの回で知り合った岡崎琢磨先生に編集者さんを紹介してもらったおかげで、昨年『探偵はパシられる』という小説を出せた。この大会のMCをしてなければ私の人生は今よりもかなり低迷していただろう。

 あの日は本当に私の歴史が動いた日だ。動画を確認すると、今の自分の前髪の生え際が後退していることに気付いた。そこはもう動かないでほしい。

かもしだ・せぶん
1988年神奈川県生まれ。現役書店員芸人。松竹芸能所属。昨年、小説『探偵はパシられる』を上梓。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。