「女の部屋は一度ノックすべきである。」三島由紀夫の言葉(1)「男と女」編

社会

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 11月25日は「憂国忌」――三島由紀夫の命日である。

 人によって三島のイメージは様々だろう。学生時代に課題図書として読んだ『金閣寺』の著者、という人もいれば、あまりにも有名な自決を想起する人もいるだろうし、また演劇好きならば『黒蜥蜴』など今なお上演され続けている戯曲の作者と捉えているかもしれない。

 一方で、「何となく難しそう」と敬遠している若い世代もいることだろう。

 そんな「三島ビギナー」にもとっつきやすい本が、憂国忌を前に発売された『三島由紀夫の言葉 人間の性(さが)』(佐藤秀明・編)。三島研究の第一人者が、その作品やインタビューでの発言などから至極の言葉309を厳選した名言集である。

 今回はその中から、「男と女」に関するものをご紹介しよう。

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「私自身の経験に即して言うのですが、性や愛に関する事柄は、結局百万巻の書物によるよりも、一人の人間から学ぶことが多いのです。われわれの異性に関する知識は異性のことを書いたたくさんの書物や映画よりも、たった一人の異性から学ぶことが多いのです。ことに青年にとって、異性を学ぶということは、人生を学ぶということと同じことを意味しております」

「どんなに醜悪であろうと、自分の真実の姿を告白して、それによって真実の姿をみとめてもらい、あわよくば真実の姿のままで愛してもらおうなどと考えるのは、甘い考えで、人生をなめてかかった考えです」

「女の部屋は一度ノックすべきである。しかし二度ノックすべきじゃない。そうするくらいなら、むしろノックせずに、いきなりドアをあけたほうが上策なのである」

「恋愛にとって、最強で最後の武器は『若さ』だと昔から決まっています。
 ともすると、恋愛というものは『若さ』と『バカさ』をあわせもった年齢の特技で、『若さ』も『バカさ』も失った時に、恋愛の資格を失うのかもしれませんわ」

「思春期には、字引をめくっていても、性に関係した言葉は、ギラリと目を射ったものだ。今ではそんなことはないから、字引を読むたのしみも失ったのかもしれない。言葉はただの言葉、空々漠々たるものである」

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 戦後70年の今年は、三島が亡くなってから45年目にあたる。憂国忌を機会に、食わず嫌いの人も、恐ろしく鋭利な言葉の数々に触れてみてはいかがだろうか。

デイリー新潮編集部