「同人誌を出して。イベントの旅費も出す」 作家・愛野史香を創作の世界に引きずり込んだ「東京在住のキャリアウーマン」との出会い
アマチュアが自由に創作活動をしていると知った時の衝撃
薬剤師として働く傍ら、2024年、第16回角川春樹小説賞を受賞し『あの日の風を描く』でデビューした愛野史香さん。学生時代、学業と部活動に励みながら、さらに小説の執筆にも乗り出したのは、ある特別な出会いがきっかけで……。
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私にとって東京といえば、東京ビッグサイトの印象が強い。20代の頃、主に赤ブーブー通信社が主催する同人誌即売会に行っていた。いわゆるオタクの祭典である。
私が小説を書き始めたのは、大学生の頃だった。...

