山尾志桜里氏インタビュー「勝ち負けではなく爽快な勝負を見せる必要があった」「もらってばかりだった自分を見つめ直しました」

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根底から自分自身を見直す4年間だった

――10万6000票の獲得で、32人中16位。この結果をどう受け止めていますか。

「勝ち負けという部分ではもちろん負けたわけですが、もう一つの目的である、爽快な勝負を見せるという目的については達せられたのではないかと思っています。最初の記者会見で厳しい質問をぶつけてこられた記者の方々も街頭演説によくいらっしゃったのですが、『戦いぶりは立派だった』と言ってくださった方が何人もいました」

――やはり無所属で戦うとなると、金銭面も大変だったのではないですか。

「前回も無所属での戦いだったのですが、前回は小選挙区、今回は東京全区でしたのでなおのこと大変でした。自分一人の力では無理だった選挙で、全国のみなさんからご寄付をいただいたからこそできたことです。金銭の支援だけでなく、300人もの方々がボランティに駆けつけていただきました。

 北海道で証紙貼りをしてくださったり、秋田から農作業を2週間お休みされて、泊まり込みで手伝ってくださったボランティアの方もいらして。それだけでなく、裏で国会議員時代の仲間たちが何人も駆けつけてくれて、事務所の片付けを手伝ってくださったりしたのです。今も特定の政党に所属し、表立って名前を出せないような人たちもいました。本当に涙の出る思いでした。

――意外というと失礼ですが、お友達が多いのですね。

「はい、元々人付き合いは好きな方なんですよ。仕事仲間と飲みにいくのも大好きですし。ただ、こうして色々な人に助けられて、人付き合いについては改めて考えさせられました。これは議員をやめてからずっと考えていたことですが、もらってばかりだったなと。政治家自体がそうなりがちな職業なのですが、辞めてからは、もらったものをちゃんと返す人間関係を構築していかなければダメだと思うようになりました。この4年間は、根底から自分自身を見直す時間でもありました」

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