「復讐心に燃えるオランダ人が……」敗戦後にインドネシアに抑留された日本軍兵士が味わった「地獄」

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 戦後80年、これまで多くの戦争の悲劇が語られてきたが、あまり知られていないのが、敗戦後に南方に抑留された日本軍兵士たちが味わった悲劇である。

 とりわけインドネシアのジャワ島では、戦時中に日本軍によって抑留されていたオランダ人が、一転して日本人を抑留する立場となり、復讐心に燃えるオランダ人によって日本人は厳しい強制労働を課せられることになった。

 日本軍人らの貴重な日記類を読み解き、南方抑留の歴史的背景と過酷な実態を明らかにした『南方抑留:日本軍兵士、もう一つの悲劇』(林英一著、新潮選書)では、ジャワ島で最悪といわれたタンジュン・プリオク港の作業隊にいた陸軍主計中尉・大庭定男さんの日記から、当時の様子を再現している。...

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