「高速道路での逆走など外国人の事故が急増…」 参院選の争点・外国人問題のリアル 「国保の納付率は非常に低い」

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【全2回(前編/後編)の前編】

 都議選で躍進した参政党の勢いはやまず、そのスローガン「日本人ファースト」に引っ張られる形で“外国人政策”は、にわかに参院選の主要な争点に浮上した。SNS上でデマも飛び交う中、各党の訴えは千差万別だが、現実にはどんな「問題」が横たわっているのか。

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 締め出そうとする党あれば受け入れる党あり。候補者が口を開けば「外国人」を連呼する選挙戦。参政党は神谷宗幣代表自ら「いい仕事に就けなかった外国人が集団で万引きしている」などと過激な主張を並べ立て、すかさず他党が難詰する。そんな応酬の最中、7月15日に政府は「外国人政策」の司令塔となる事務局組織「外国人との秩序ある共生社会推進室」を発足させた。

「自民党はもともと『違法外国人ゼロ』に向けた取り組みをマニフェストに掲げてきました」

 とは、政治部デスク。

「在留外国人らによる社会保障制度の不適切な利用は、これまでも指摘されており、従来は厚労省や出入国在留管理庁などが個別に対応にあたってきましたが、今後は関連する施策の見直しなどを、財務省や警察庁、外務省も合わせ省庁横断的に推し進める考えです」

“参政党の専売特許にしてはならない”

 その動きは、むろん躍進著しい参政党と無関係ではない。政治ジャーナリストの青山和弘氏によれば、

「7月5、6日に行われた共同通信の世論調査で参政党は、比例代表の投票先として自民の18.2%に次ぐ8.1%で2位に浮上、国民民主や立憲民主を上回りました。SNSを分析しても、最も投稿されているワードは『外国人政策』。そこで自民をはじめ各党とも“参政党の専売特許にしてはならない”と、がぜん力を入れ始めたのです」

 とのことで、

「自民も、外国の運転免許証を日本の免許証に切り替える『外免切替』の厳格化などを主張してきました。ですが、そこから進んで選挙期間中に新たな組織を立ち上げるというのは、これまで以上に外国人政策に取り組んでいくアピールをしなければ、という焦りの表れでもあります」(同)

事実と異なる主張を行う参政党

 他党をざっと見回しても「在留管理の高度化」(公明)、「難民等保護法の制定」(立民)、「外国人比率の上昇抑制」(維新)、「地方自治体や外国人児童・生徒への支援」(国民)など、方向性は違えどそろって外国人政策に重きを置いている。もっとも、

「そうした潮流に先んじた参政党の外国人問題に関する主張には、事実と異なる部分も見受けられます。例えば神谷代表は6日の報道番組で外国人による不動産購入について、『オーストラリアや中国には相続税がないから、買っておいて日本に住んでいなければ相続税を取りようがない』と発言しました。ですが、実際には国内の不動産については所有者の国籍や居住地にかかわらず、相続税がかかる仕組みです」(前出のデスク)

 加えて、SNS上では「外国人の犯罪率が急増」「生活保護や医療を食い物にしている」といったフレーズが垂れ流されている。こうした流言は論外としても、実際に、国内には現在、どんな「外国人問題」があるのだろうか……。

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