「高速道路での逆走など外国人の事故が急増…」 参院選の争点・外国人問題のリアル 「国保の納付率は非常に低い」

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高速道路での逆走… 相次ぐ外国人の事故

 まずは、自民も言及している「外免切替」制度についてである。インバウンドの急増に伴い、外国人ドライバーによる交通事故の件数も増加、昨年は7286件と過去10年で最多となっている。

「観光客など短期の外国人滞在者はこれまで、自身のパスポートと宿泊するホテルや知人宅の一時滞在証明書を示せば、日本の免許に切り替えることができました。外免切替を利用する外国人は昨年1年間でおよそ7万人に上りましたが、事故など万が一の際に連絡が取れなくなるといった問題が指摘されていたのです」(社会部デスク)

 高速道路での逆走など、外免切替の外国人による事故は相次いでいる。こうした点を踏まえ、さる10日に警察庁は、制度を見直して10月から審査を厳格化する方針を発表した。

「新制度では、切り替える際に住民票が必要となるため、観光客など短期滞在の人は認められなくなります。また切り替え時に行われている『知識確認』のテストも、かねて“簡単過ぎる”という声があったため、ハードルを上げることになりました。現在はイラストを用いた筆記試験が10問あり、7問正解でパスしますが、今後はイラストを廃止して設問も50問に増やし、正答率9割以上が求められます」(同)

 技能確認のテストにおいても、横断歩道の通過などの項目が追加され、厳しく審査されるというのだ。

「接客や整備点検といったスキルを身に付けさせる機関を」

 交通政策に詳しい名古屋大学大学院の加藤博和教授が言う。

「日本は運転の国際的な統一ルールを定めた『ジュネーブ条約』に加盟しており、日本の免許証があれば加盟国で通用する国際免許を取得できます。中国やベトナムはこの条約に加盟していませんが、日本に来れば住民票がなくても日本の免許に切り替えられ、これにより国際免許も取得できるようになるため、制度利用に拍車がかかったようです」

 その一方で、こう指摘するのだ。

「日本ではバス・タクシー・トラックの職業運転手が不足しており、このままだと公共交通も物流も行き詰まります。従って、外国人の中から運転の仕事に就く人が出てくることが望まれます。そのためには運転技能しか教えない自動車学校ではなく、接客や整備点検といった職業運転手としてのスキルを身に付けさせる機関を設立し、そこで日本人と共に学んでもらうことが有効です」(同)

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