「初恋の人妻」に会いたくて…探偵を雇って調べると そして始まった53歳夫の“思い出の後始末”
【前後編の後編/前編を読む】「夫は出張でいないの」35歳の団地妻に何度も何度も誘惑されるも… 53歳夫が忘れられない「十代の初恋」の苦い記憶
水田靖文さん(53歳・仮名=以下同)には、忘れられない初恋の相手がいる。訪問販売のアルバイトをしていた時に出会った人妻の早希さんだ。当時、靖文さんは18歳で、彼女は35歳。団地住まいだった早希さんは「旦那が不在」「子どもは義実家にいる」と、何度もアプローチをしてきたものの、靖文さんはその意図になかなか気づかなかった。ようやく結ばれようとしたその時に、早希さんの夫が帰宅、靖文さんはこっそりとその場を逃げ出した。その後、連絡が途絶えた彼女のことを気にかけつつも、靖文さんは大学を卒業して就職、結婚し、31歳で3人の子に恵まれた。
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【前編を読む】「夫は出張でいないの」35歳の団地妻に何度も何度も誘惑されるも… 53歳夫が忘れられない「十代の初恋」の苦い記憶
決して裕福というわけではなかったから、「子どもを3人育てるのは大変でした」と靖文さんは苦笑した。妻の麻奈美さんと知り合ったのは転職するために、学生時代の先輩たちに相談しているころだった。
「たまたま、みんな集まる飲み会があるから、そこへ来ればいいと言われて行ってみたんです。そのとき、ある先輩の彼女として同席していたのが麻奈美だった。僕より3年後輩でした。何人かの先輩が『うち、ちょうど中途入社を募集してるよ』と情報をくれ、結局、3社受けて今の会社に決めました。麻奈美はそのすぐあとに先輩の浮気が原因で別れたようで、『話聞いてくれる?』といきなり電話をかけてきた。別れ話を聞かされたあげく『私、フラれたんだから奢ってよ』と言われ……。でもあっけらかんとしたおもしろい女性だなと思いました。2度目からタメ口だったんですが、それが嫌な感じではなかった」
転職が決まったと報告すると、麻奈美さんは「お祝いしよう」と言って、その日は少し値の張るイタリアンをご馳走してくれた。めでたいついでに言うけど、つきあってくれないかなと彼も軽い調子で言ってみた。
「私、やっちゃんのこと好きだよと彼女はなれなれしく言うんです。でも傷つくのはもうしばらくいいかなとも思う、とも。僕は傷つけないよ、つきあっているときに浮気するようなまねはしないと言ったら、『じゃあ、しばらくお試しでどう?』と。思わず笑いました」
彼女とのデートは刺激的だったと靖文さんは言う。卓球、ビリヤード、野球やラグビー観戦。彼がかつてギターを弾いていたと知ると、音楽スタジオを予約したという。彼女はピアノを弾くので、知っている曲でコラボしようと。そんなデートが続いて29歳になったばかりのころに結婚したのだった。
「長男のあとに生まれたのが双子の女の子。麻奈美は育休はとりましたが、決して仕事を辞めようとはしなかった。ときには高いベビーシッター代を払うことになっても仕事は続けましたね。『だって子どもはいつか巣立っていくんだもの。そのときに私は子育てのために仕事を辞めたのに。私の人生、何だったのと言いたくない。あなただって八つ当たりされたくないでしょ。だったら掃除はお願いね』という調子で、うまく乗せられて僕もけっこう家事をやるようになりました」
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