寝室は別、ふれあいも無し。それでも「贈ったネックレス」をつける妻に希望を見ていた…のに 暴露された“真実”と逆ギレ
例のペンダント、実は…
友里江さんが話し合いを拒否しているので、穣一さんは今まで通りの生活を続けている。義姉はすでに住んでいる国に行ったが、いずれは帰国することも考えているという。
今はただ、気弱になった義母と、闘病しながらもなんとか気持ちを強くもとうとする義父の支えになろうと穣一さんは考えている。何とか家庭を壊したくない一心だと彼は言うが、どちらが悪いかという話になったとき、少しでも責任を軽くしたいのかもしれないと穿った見方もできる。
子どもたちも高校生と中学生になった。両親の間の空気がおかしいのはとっくにわかっているだろう。だが、それも受け止めた上で、彼は友里江さんに普通に話しかけるようにはしている。
「ただ、もうひとつわかったのは、娘が入学したときに妻にプレゼントした例のペンダント。義姉は、友里江のその彼氏のことを知っていて、『友里江は同じペンダントを彼にねだったの。彼にもらったほうを身につけているみたいよ。あなたがあげたのは売っちゃったのかも』と言ったんです。それが本当かどうかはわからない。僕は義姉のことも信じていない。でも本当だとしたら、妻の人間性を疑うしかありません」
孤独だと穣一さんはつぶやいた。こんな孤独感は味わったことがない、と。誰を信じたらいいのか。そもそも友里江はどうして自分と結婚したのか。
「ものごとには優先順位がある。友里江にとって今は親のこと、子どもたちのことで精一杯なんだと思う。だからそれを静かに見守るしかないなと。事態は変わっていくだろうし、そのときに何か結論が出るかもしれない。いずれにしても、この結婚生活はいつかは終わる。僕らが共白髪で笑い合うことはない。それだけはわかっています」
最近、自宅近くの地域猫と仲よしなんですよと彼は言った。お互い、ほんの数分、慰めあっているのかもと言った彼の顔は、妙に翳りが強かった。
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振り返れば「始まり」から、夫婦2人は“ズレ”ていたのかもしれない――。穣一さんが違和感をおぼえるようになっていったその過程は【記事前編】で紹介している。
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