寝室は別、ふれあいも無し。それでも「贈ったネックレス」をつける妻に希望を見ていた…のに 暴露された“真実”と逆ギレ

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「肌の触れあいがほしい」

 会話を拒否するわけではないし、プレゼントも一応喜んではくれた。寝室が別になって8年ほどたっていたが、穣一さんが誘えば、妻は年に数回、夫婦の営みにも応じてくれた。だが妻がそういう関係を楽しんでいたとは思えない。

「妻にとって僕が初めての男だったと思います。最初からそういうことが楽しくなかったのだとすれば、それは僕の責任ですよね……。結婚生活を続けるほど、そういう思いは強くなっていった。性は愛情のすべてではないけど、夫婦の絆のひとつになり得るはずだと思っていた。その希望はかなわないんだとはっきりわかりました。僕にも性欲はありますし、それだけではなく妻との肌の触れあいがほしかった」

 その後、何度となく妻と話し合おうとしたが、友里江さんは話し合いさえやんわりと拒否する。実際、子どもたちもまだ小学校低学年で手がかかったし、そのころ彼女の母親が骨折して入院していたこともあり、穣一さんも話し合おうとするのをやめた。ただ、あの日からネックレスは常に友里江さんの首元を彩っている。それがかすかな希望に見えた。

義姉の“暴露”

「2年前、義父が大病をしまして。70代半ばにさしかかったところで、義両親ともに健康上の問題が出てきた。義姉も帰国して、これからのことを家族で話し合っていたようです。もちろん僕は呼ばれなかった」

 義姉とは結婚式で挨拶を交わしただけだったが、このときはゆっくり話す機会があった。そこで義姉から思わぬ暴露話が次々と出てきた。

「思い出しても傷つきますが、妻には腐れ縁みたいな男がいたんです。結婚後、中学時代に憧れていた先輩に再会し、誘われるがままに関係をもってしまったと。そのことは母親には言っていたようです。母親は自分名義のワンルームマンションを友里江に提供した。人目につくホテルに行くより、会うならその部屋で会えということ。母親は妹には甘いんですよと義姉はためいきをついていました。さらに結婚後、友里江はずっと親から生活費をもらっていたとも義姉は言うんです。義姉は義姉で、自分は何ももらっていないのに妹ばかりずるいという思いがあった。だから僕に暴露したと」

 義姉は父親からの生前贈与を期待していたようだ。それに巻き込まれるのは嫌だと思いながらも、想像もしていなかった事実を聞かされて、穣一さんの思考能力は停止状態となった。

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