保守系スローガンだけではない 「参政党」が既存政党の“脅威”に変貌した理由 オーガニック、格差是正で“左”にもウイングを広げ

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維新、国民民主も競合

 野党では、日本維新の会、国民民主党は、これまで保守層の受け皿機能も果たしてきた。参政党との票の奪い合いが生じ、影響が及ぶのは避けられそうにない。報道各社による直近の世論調査では、政党支持率や比例代表の投票先で国民民主が数ポイント下げているものが複数あった。これに対し、立憲民主党など、比較的支持層が重ならないとみられる政党は、相対的に浮上しやすくなるとの見方がある。ただ、野党の多くが消費税減税を前面に掲げているため、減税票の食い合いが生じる可能性は否定できない。

 新勢力として出てきた政党は中、短期の浮沈のサイクルで理解されやすく、ブームに乗って勢力を伸ばしてもそのうち後退するとみられがちだ。参院選直前というタイミングで日本政治の水面に投じられた新興保守の一石。今回はいったい、どのような波紋を生むのだろうか。

市ノ瀬雅人(いちのせ・まさと)
大手報道機関にて20年近く国政、外交・国際関係などの取材、執筆、編集を務めた。首相官邸、自民党、旧民主党、国会のほか外務省などの官庁を担当した。

デイリー新潮編集部

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