あらわになった「石破自民」への強烈な嫌悪感 都議選惨敗の“真の理由”とは
“小泉効果は限定的だった”
「昨年の衆議院選挙で自民党は大敗し、その原因が何一つ解決されないまま都議選を迎えました。今回の出口調査の結果を見ると、前回の衆院選と同様、自民支持者の5割ちょっとしか自民候補に入れていません」
と指摘するのは、選挙・政治アドバイザーの久米晃氏である。
「つまり、自民支持者は党や今の政権に対して“何をやっているんだ”という失望感が強い。しかも、それは今に始まったことではありません。少子化、賃金、物価などの問題に全く結論が出てない。そういうものが積み重なった結果だと思います。これを解消しなければ、自民支持者の8割くらいが自民の候補者に入れるという状況をつくり出せず、参院選も都議選と同じような結果になるでしょう。小泉効果で自民党の支持率が若干上がったかもしれないけど、都議選に突入したら、それが全くの張りぼてであることが露呈してしまったわけですから」(同)
それでも小泉氏の“神通力”を信じる人はいるようだ。
再び鈴木氏に聞くと、
「今も参院立候補予定者からは小泉氏へ応援要請が相次いでいるそうですが、もはや自民党内でも“小泉効果は限定的だった”と見られています。東京は無党派層が圧倒的に多く、世論は今も自民党に厳しい視線を注いでいることが都議選で浮き彫りになりました」
自民への嫌悪感
そもそも自民党への忌避感は、3年前に裏金問題が発覚した岸田政権の頃から続いているという。
「ムードを変えるのが石破さんの役目だったのに、何もしなかった。減税もやると言ってひっこめた。そうしたチャンスを生かせず、自民への嫌悪感を払拭できていません」(鈴木氏)
改めて久米氏はこう嘆く。
「参院選までに自民党が失った信頼を取り戻すためには、何をしたいのかを分かりやすく提示しなければなりません。将来に対する展望、夢を国民の皆さんに分かりやすく伝えるよう最大限の努力をすることが必要ではないでしょうか。ある意味で投票は投資です。有権者に“自民党へ投資しよう。一票入れてやろう”という気を起こさせることを言わないといけない。賃上げや物価上昇の問題では、国民はみんな泣いています」
参院選が終わった後、われわれは鏡の向こうにどんな姿の有権者を目にするのか。
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