あらわになった「石破自民」への強烈な嫌悪感 都議選惨敗の“真の理由”とは
“裏金問題もあったから、踏ん張った方かも……”
自民党関係者が明かす。
「都議選の翌日、重苦しい足取りで党本部に現れた森山裕幹事長は、周囲に“想定より厳しかったな。裏金問題もあったから、踏ん張った方かも……”と口数少なく、煮え切らない総括をしていました」
その森山氏は6月14日、鹿児島市内で開かれた講演会で「消費税を守ることが国民を守ることにつながる」と発言して、ネットを中心に大炎上。SNSで〈国民ではなく税金を守る自民党〉などと揶揄され、都議選に水を差したともいわれている。
党関係者が続けて話す。
「失言といえば、都議選の開票がほぼ終わったところで、党本部で記者団の取材に応じた木原誠二選対委員長が“参院選の結果に直結するものではない”と強がってみせましたけどね。有権者には不遜な態度と取られかねない。改選を控える自民の候補からは“もう少し言い方があったろう”など冷ややかな声も聞こえてきます」
「自民の岩盤保守層が参政に票を」
その木原氏が参院選の勝敗ラインとして自らに課している数字があるという。
政治部デスクによれば、
「改選議席は自民が52で公明14の合計66議席。木原さんは“与党が50議席を確保すれば参院全体の過半数に達する”と息巻いていますが、都議選の結果を見ればハードルは高い。さっそく戦略の見直しを迫られています」
例えば、自民は東京選挙区で武見敬三・前厚労相と、五輪金メダリストの鈴木大地・前スポーツ庁長官を擁立している。が、
「二人そろっての当選は難しいことから、党としては日本医師会とのパイプを持つ武見氏に組織票を集約して、なんとか勝たせる方針を決めたようです」(同)
背景には、今回の都議選で9議席を得た国民民主党と、3議席の参政党の影響もあるという。
「山尾志桜里氏の公認取り消しなどで支持を落としたかに見えた国民ですが、手堅く議席を得ることができた。生活に根差した同党の公約が、安倍政権以降、自民を支持してきた都市部の20代、30代に刺さり、一定数の票が国民に流れたとみてよいでしょう。また自民の岩盤保守層が参政に票を入れたことで、自民の惨敗が決定的になったと思われます」(同)
支持基盤の崩壊で、自民はまさに背水の陣で参院選に臨むことになりそうだ。
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