「銀河鉄道999」の大宇宙は“小学生向けの水彩絵の具”で描かれていた…過去最大級の「松本零士展」5つの見どころを元担当編集者が解説
現在、東京・六本木の東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)で、〈松本零士展 創作の旅路〉が開催されている(9月7日まで。以後「北九州市漫画ミュージアム」などを巡回)。「銀河鉄道999」「宇宙海賊キャプテンハーロック」などのマンガやアニメで知られる巨匠・松本零士さん(1938~2023)の業績を、300点以上もの原画でたどる、過去最大規模の展覧会だ。
【写真を見る】過去最大の「松本零士展」気になる中身を少しだけ公開!!
松本零士さんは、新潮社では後期代表作のひとつ、「ニーベルングの指環」4部作(ラインの黄金、ワルキューレ、ジークフリート、神々の黄昏)を発表し、人気を博していた(1990~2000年発表/第4部「神々の黄昏」は未完)。特に第2部「ワルキューレ」以降は、当時はじまったばかりのインターネット技術によるウェブ・サイト「Web新潮」上で連載され、日本でほぼ最初の「パソコンで読むマンガ」として話題となった(現在、小学館クリエイティブから完全版が順次刊行中)。
最初の打ち合わせから15年間にわたって松本氏を担当し、現在発売中の「芸術新潮」7月号の松本零士特集にも寄稿している、新潮社の元担当編集者・森重良太さんに、いち早く展覧会を鑑賞してもらい、その見どころや楽しみ方を解説していただいた。
〈松本零士展〉を10倍楽しむための5つのポイント
近年、マンガ原画を鑑賞する展覧会が、増えてきました。今回の会場、東京シティビューでも、いままでに〈ベルサイユのばら展〉〈水木しげるの妖怪 百鬼夜行展〉〈手塚治虫 ブラック・ジャック展〉〈花とゆめ展〉〈手塚治虫「火の鳥」展〉などが開催されています。
マンガの「原画」展は、通常の美術「絵画」展とは、かなりおもむきがちがいます。その楽しみ方、また、今回の〈松本零士展〉ならではの見どころを、お伝えします。
[1/4ページ]


