「石破総理」は、60日で退陣した「羽田内閣」よりずっと恵まれている…当選14回「船田元」議員が語る“少数与党の心得”

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政治家、党職員、官僚による連携

 ――現在の自公政権は、根回しは比較的うまく行っていると。

 自公政権は一生懸命に根回しすることが専売特許のようなものだ。野党の皆さんとも丁寧に議論してきた。自公政権では国会議員以外に官僚が政府と与党の間で調整し、物事が進む。実は、官僚は根回しの達人だ。2009~12年の民主党政権は「脱官僚」を唱えたため、官僚にとっては「じゃあ、調整するのもやめよう」となった面がある。官僚の根回しをうまく使えなかったことが、民主党政権が3年間で終わった原因の一つであり、誤りだったと思う。

 また、自民党職員は党内調整によく動いてくれる。政治家、党職員、官僚の3者が連携している。自民党が長期に政権を担うことができている理由は、ここにしかないと言ってもいいほどだ。

与党過半数割れは憲法改正にも悲哀

 ――衆院憲法審査会の会長代行と与党筆頭幹事を務めているが、自民党の党是である憲法改正の進捗は。

 改正原案の作成に至っていない。少数与党になる前は、大災害時など緊急事態における議員任期の延長が、改正項目の一つとして条文化の一歩手前まで来ていた。しかし少数与党の悲哀で、衆院憲法審査会長ポストが自民から立憲に移り、条文案や骨子案を議論の俎上に乗せることができていない。できれば今国会中に骨子案を審査会で配布し、説明させてもらいたい。一方、憲法改正原案を発議した場合に国会内でつくる超党派の広報協議会の中身は、国民投票の際のテレビCMの扱いなど、かなり詰まってきた。

 ――消費者問題に長く取り組んでいる。

 党消費者問題調査会長を10年務めている。消費者契約法、公益通報者保護法の改正などに取り組んできた。最近は食品ロス削減でフードバンクへの補助充実を考えている。外食時の食べ残しについて、例えばマル適マークのような形で、持ち帰りOKの飲食店を認定できないかなど検討中だ。

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市ノ瀬雅人(いちのせ・まさと)
大手報道機関にて20年近く国政、外交・国際関係などの取材、執筆、編集を務めた。首相官邸、自民党、旧民主党、国会のほか外務省などの官庁を担当した。

デイリー新潮編集部

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