「石破総理」は、60日で退陣した「羽田内閣」よりずっと恵まれている…当選14回「船田元」議員が語る“少数与党の心得”

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「石破」は「羽田」より恵まれている

 ――羽田、石破両内閣を比べるとどうか。

 同じ少数与党でも、石破内閣は羽田内閣よりずっと恵まれている。石破政権には、さまざまな政策で協力してくれる野党が一つ、二つ存在しており、いわば「救いの神」がいるためだ。羽田内閣は協力的な野党がなかった。当時野党だった自民党は「一日でも早く羽田内閣を潰せ」という方針で、めちゃくちゃに攻撃された。

 石破内閣は味方してくれる野党をつくるよう努力してきたので、何とか25年度予算を24年度内に成立させた。重要法案についても成立に向け懸命に腐心してきた。ただ、今後は通常国会の会期末を控え、仮に内閣不信任決議案が提出されたとき、どこかの野党と組んで否決できるのかという大きな課題がある。

年収の壁とガソリン税は難航

 ――石破政権のこれまで8カ月間で、うまくいかなかったと思うことは。

「年収103万円の壁」を178万円まで引き上げるという国民民主党の政策への対応だ。与党は152万円まで壁を動かそうとしたが、国民民主の妥協を得られなかった。ただ、178万円にすれば約8兆円の財源を要し、赤字国債で賄うとしても、毎年なら財政健全化に大きなマイナスだ。よって、自公政権としては譲れないラインだったと理解している。

 また、ガソリン税について、トリガー条項の凍結解除、暫定税率廃止といった問題があった。自公国3党で一応の合意をしたが、いつから始めるかは結論が出ていない。石破首相は4月、今年の8月以降は石油の元売りに10円分を補助して、ガソリン価格を結果として10円程度下げると発表した。しかし、国民民主の対応は未知数という状況だ。

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