「小室さんのお子さんが天皇になることを国民が認めるのか」 読売新聞の「女系天皇“容認”論」に専門家が苦言 

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【前後編の後編/前編からの続き】

 安定的な皇位継承に向けた与野党協議が続く折、国内最大発行部数を誇る読売新聞が大胆な提言を行った。そこでは、議論から消えた「女性宮家」の創設を唱え、女性・女系天皇の可能性にも言及している。いきおい保守派の激しい反発を招く事態となったのだが……。

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 前編【〈女系天皇などありえない〉 自民議員から猛反発 読売新聞のキャンペーンが保守派に与えた衝撃】では、5月15日の読売新聞朝刊が、〈皇統の存続を最優先に〉〈女性宮家の創設を〉などの文言と共に、皇位継承を巡る踏み込んだ呼びかけをしたことについて、保守派の反発と併せて報じた。

 与野党協議は、昨年5月にスタート。一昨年に衆議院議長に就き、昨年11月に再任された額賀福志郎元財務相が、一貫して主導する形で進められてきた。

「額賀さんは昨年の議論開始当初こそ“今国会の会期中に取りまとめたい”と意気込んでいましたが、いかんせん各党間の意見の乖離が大きく、協議は平行線。何とか合意点を見いだすべく、現在は自民の麻生太郎最高顧問と立憲民主の野田佳彦代表による“非公式会談”が、議長と玄葉光一郎衆議院副議長同席の下で進められています」(政治部記者)

 その中でまず「女性皇族が婚姻後も皇室に残る」案については、配偶者や子の身分について隔たりがあり、

「会談で野田さんは、身分の判断を皇室会議に委ねるとの案を示しました。また旧宮家の男系男子の復帰についても、期間限定での容認に言及するなど歩み寄りの姿勢を見せている。ですが、いまだに麻生さんの同意は得られていません」(同)

「この会期中を逃せば、取りまとめは難しい」

 この会談はさる15日にも予定されていたのだが、

「同じ日に掲載された読売提言に麻生さんが不快感を示したこともあり、中止となりました。麻生さんは新教皇の就任式に出席するため16日にバチカンへ出発、議論はいったんストップしてしまったのです」(前出の政治部記者)

 1年にわたって続く与野党協議。その実態について、さる出席者は、

「直近では月に1回のペースで、毎回1時間前後が費やされてきました。それでも、短い時間で13の各政党・会派の意見をさばいていくのは困難です。方向性の同じ意見が多くの人から挙がるとなかなか先に進まず、司会役の玄葉副議長が“同じ話は繰り返さないように”と諭す場面もありました。自民と社民や共産、れいわなどの間に乖離があるのはともかく、立憲民主の意見が党内で統一されていないのが、議論がまとまらない要因だと思います。この会期中を逃せば、もはや取りまとめは難しいのではないでしょうか」

 今回の提言は、そうした中で世に出たのである。

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