自治会の役員をやると死亡率12%減、「田舎が健康長寿」はウソ… データが明らかにした「健康のための五つの原則」
あの運動がいい、この食材が効く、お勧めの生活習慣はこれだ……。世には健康情報が溢れているが、結局何が正解なのか。60年超にわたって積み重ねられてきた「医療×統計」のビッグデータから導き出された結論とは? 日本人が健康になれる五大原則を紹介。【大平哲也/福島県立医科大学医学部疫学講座主任教授】
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豊かな自然に囲まれ、伸び伸びと体を動かすことができ、海や大地の恵みを地産地消して、のんびりと過ごす。このような地方での生活を享受できる人は、何かと窮屈な日常を余儀なくされる都市部に住む人よりも健やかな人生を送れているに違いない。やはり、健康長寿を目指すのであれば田舎に限る――。
もし、そうした認識を持っている人がいるとすれば、それは「イメージ」に過ぎないといえるでしょう。このことは「データ」が証明しています。実際、厚生労働省「令和2年都道府県別生命表」によると、平均寿命のワースト3は、寿命が短い方から順に、男性は「青森県」「秋田県」「福島県」、女性は「青森県」「福島県」「栃木県」となり、地方の県が並びます。これにはさまざまな要因が考えられるものの、その一つに、地方在住者は“運動量が少ない”ことが挙げられます。
「日本人の健康の普遍的な法則」
イメージとは異なるかもしれませんが、最も身近な運動である「歩行」の量は、都市部よりも地方の在住者のほうが少ない傾向があります。そして、座っている時間を減らし適度な有酸素運動をする習慣が、「日本人の健康の五大原則」の一つなのです。これらも全て、「データ」が物語っている真実です。
〈こう説明するのは、福島県立医科大学医学部疫学講座主任教授の大平哲也氏だ。
疫学、すなわち「医療×統計」のプロフェッショナルである大平氏は、1963年から続き、日本有数の信頼度を誇る「CIRCS(サークス・Circulatory Risk in Communities Study)」という疫学研究などに携わり、60年超にわたって積み重ねられてきた「ビッグデータ」に基づいて、日本人の健康の向上を呼びかけてきた。
長年のビッグデータ検証を経てたどり着いた、「日本人の健康の普遍的な法則」を大平氏が解説する。〉
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