元BOØWY高橋まことがレッド・ウォーリアーズ参加 ユカイが明かす「45年の友情が生んだ舞台裏」

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声帯変形…ロック歌手としての“試練”

 一方、ユカイは自身が抱えているある問題を明かした。

「実は3月ぐらいから喉の調子がおかしくてね。イメージ通りの声が出なくなっていた。それで病院に行ったら『声帯が変形しています』と」

 歌手の“命”である声帯に異常が見つかったのだ。

「先生は『絶対に治します』と言ってくれているから、喉に負担をかけないように、いまはお酒を控えて、普段はなるべく小声で話してる。家では常に薬の吸入器を近くに置いて、喉のケアをしてるよ」

 実は、以前から喉に限界が来る日を覚悟していたという。

「ロックをやっている人は、年を取るとしょうがないところがあるんだ。骨が細くなったり、歯並びに変化があると、歌に影響が出てくる。あのポール・マッカトニーだって65歳ぐらいまでは伸びがあって無敵の声だったけど、今は昔のような倍音も出なくなっている。ビリー・ジョエルもそうだね。エアロスミスのスティーブン・タイラーは、70歳になっても声が出ていた方だったけど、声帯を損傷してツアーを引退することになった。パワフルに歌うと喉に負担がかかるから、ロック歌手にこういう問題はつきものなんだ」

 この数年、ユカイはDiamond Shake(シャケとのユニット)やソロの「シン・シャドウブラウン&ブラックパイレーツの冒険」など、ステージで歌う機会が増加。多数のライブをこなし、喉を酷使する環境にあった。

「ガンガン歌っていたからね。声帯に異常が見つかった時、『俺もスティーブン・タイラーみたいにライブができなくなるのか』と思った。まあ、スティーブンもまた歌い始めているし、仮に声帯が昔のように戻らなくても、歌い方を変えればまだまだ歌い続けられる。ただ声帯の状態によってはこのままパワフルな曲を歌えるかどうかはちょっとわからないね」

 ユカイによれば、治療を続けたことで経過は良好だといい、「2時間なら歌える状態まで戻っているよ」という。実はユカイにとって、今年はソロデビュー35周年の年でもある。是が非でも声帯を回復させ、歌い続けたいのだ。

 6月に始まるレッズのライブツアーは、8日の東京・LINE CUBE SHIBUYAの後、20日に名古屋・COMTEC PORT BASE、翌21日は大阪・大阪国際交流センター大ホールが現在予定されている。

 高橋まことが加わったことでどんな演奏を見せるのか。そしてユカイの喉は持つのか。結成40周年を迎えたレッズから、何かと目が離せない。

華川富士也(かがわ・ふじや)
ライター、構成作家、フォトグラファー。記録屋。1970年生まれ。長く勤めた新聞社を退社し1年間子育てに専念。現在はフリーで活動。アイドル、洋楽、邦楽、建築、旅、町ネタ、昭和ネタなどを得意とする。過去にはシリーズ累計200万部以上売れた大ヒット書籍に立ち上げから関わりライターも務めた。

デイリー新潮編集部

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