「髪の毛ボサボサで帰ってきた孫が“借金がある”と…」 360万円を盗んだ宮内庁職員の祖母が明かす 「様子がおかしかった」

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「タンス預金があったので……」

 その後、祖母は5回、6回と携帯を鳴らしたが、彼が電話に出ることはなかった。業を煮やして4月25日、山崎の叔母にあたる娘に電話をかけたところ、

「娘は“電話では話せない。お母さん、今から行くから”と。それで、永太が役所のお金を使い込んでいたと娘から初めて聞かされたのです。しかも、金額は360万円。永太が私に話していた借金の額とは10万円違っていました」

 祖母は娘から“4月28日までに永太が使い込んだお金を返済すれば示談になる”との趣旨の説明を受けたという。

「もう(返済の期日まで)幾日もないでしょう。私ならタンス預金があったので全額用意できました」

 その場で祖母が、山崎の兄に電話して「おばあちゃんがお金を用意したから」と伝えると、

「(山崎の兄が)“叔母さん、いるの”と言うので、娘に電話を代わりました。結論は、360万円は4月22日に払っていたと。永太は母方のおばあちゃんのところにも顔を出していたようで、そのおばあちゃんがお金を工面してくれたと思うのですが、詳しいことは分かりません」

孫のニュースを見て「倒れちゃったんです」

 使い込んだ金は清算されており、宮内庁側との示談は成立したはずだった。しかし、実際には前述の通り、宮内庁は山崎を皇宮警察本部に刑事告発したのである。

「たまたま、NHKをつけたらニュースでやっていて。すぐに娘に電話して、“名前は出ていないけど、永太のことテレビでやっているよ”と言いました。そしたら、娘が“お母さん、全部の局でやってたよ”と。もうショックで……。実際の話、私、倒れちゃったんです。意識がなくなって。ご飯もあまり食べられず、今はおかゆを作って食べている。寝ても1時間くらいで目が覚めてしまいます」

 自身を苛む存在となった孫のこれまでの人生について、祖母はこう明かす。

「永太の父方の祖父と父親はともに国鉄職員でした。祖父は7年ほど前に亡くなっており、父親も肝臓を壊してもう2年近く、入院生活を続けています。永太が2歳になる頃、母親が白血病になってしまって。8年間入院して闘病した末に亡くなったのですが、まだ幼かった次男と三男の永太を、祖父母であるわれわれが引き取り、私が母代わりに育てました。私、主人、2人の孫の4人で暮らしていたわけです」

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