「髪の毛ボサボサで帰ってきた孫が“借金がある”と…」 360万円を盗んだ宮内庁職員の祖母が明かす 「様子がおかしかった」
「1回あたり、数万から数十万円を」
問題の20代職員は2023年11月から25年3月にかけて、皇居内の事務室に現金で保管されていた内廷費を宿直勤務中に繰り返し盗んでいたという。
「1回あたり、数万から数十万円を盗んでいたとみられており、窃取額は総計で360万円に達しました。今年1月下旬、内廷費を管理していた40代職員が帳簿と現金残高の不一致に気付いて確認作業を進めていたところ、3月下旬になって20代職員が盗みを認めたといいます。すでに、全額が弁済されているのですが、宮内庁は先月28日、20代職員を皇宮警察本部に刑事告発しています」(前出の宮内庁担当記者)
事案が発覚してから、1カ月以上たっての公表となったわけだが、
「宮内庁は職員の氏名や正確な年齢はもとより、具体的な宮中での役職はおろか、性別すら明らかにしていません。動機に関しても、当該の職員が事情聴取に対して“生活費などに困って盗んだ”と説明している、と言うのみです」(同)
「優しい子で、息子のように育てた自慢の孫でした」
天皇ご一家の御手元金の窃取という“重大事件”であるにもかかわらず、宮内庁は犯人に関する基本的な情報すら公表を拒んでいるというのである。
「GWの谷間という発表のタイミングといい、宮内庁側のなんとか問題を矮小化したいという意図が透けて見えます」(前出の宮内庁担当記者)
宮内庁は問題職員の性別すら明らかにしていないが、ことは国民の血税に関わり、隠蔽(いんぺい)など許されるはずもなかろう。本誌は今回、問題職員の特定に至った。その人物は25歳の男性の侍従職である。宮中では「内舎人(うどねり)」という役職にあった。本稿では以下、山崎永太(仮名)と呼称する。
「永太は私の孫です。優しい子で、息子のように育てた自慢の孫でした。テレビで事件を報じていますよね。本当に私は悪い夢でも見ているような感じで。まだ、私自身、受け止められないというか……」
そう声を振り絞るのは、東京郊外の一軒家に一人で暮らす山崎の祖母である。
「4月18日、突然、永太から電話がかかってきて、“おばあちゃん、休みが取れたから行くね”と。翌19日の昼ごろかな。永太が、一人でリュックサックを背負って家に来たんです」(同)
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