「髪の毛ボサボサで帰ってきた孫が“借金がある”と…」 360万円を盗んだ宮内庁職員の祖母が明かす 「様子がおかしかった」

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孫の様子がおかしいことに気付き……

 山崎は例年、正月三が日は宮中関連の仕事で休みがなかった。そのため、1月10日前後に休暇を取得。祖母の自宅を訪れては彼女からお年玉をもらっていた。だが今年に限り、彼は姿を見せなかったのだという。

「永太に会うのは昨年のお正月のお休みぶりでした。マスクをしていたこともあるけど、最初は永太じゃなくてお兄ちゃんかと思ったんです。永太には兄が2人います。そしたら、マスクを外しながら“僕、永太だよ”って。しばらく見ないうちに太っていたのでびっくりしました。暑い日でね。やたら汗をかいていたので、ジュースを飲ませてあげました」(問題の職員の祖母、以下同)

 ほどなくして、祖母は孫の様子がおかしいことに気が付く。

「私が家の中を動き回ると、私にべったりくっ付いて歩いて回るんですね。子供の時から一緒だから、“なんか言いたいことがあるのかな”とは感じました。でも、なかなか言わなかった」

 しかし、山崎は帰り際に突然、かしこまって座り直し、

「“僕、宮内庁から出向になる”と言うんです。“出向先で働きたくないから、仕事を変える”と。“IT系の仕事を探している”とも言っていました。私は、“せっかく周りからもよくしてもらっているのだから、出向と言われたのなら、そこでしっかり働きなさい”と伝えたんです」

「“350万円の借金がある”と」

 彼がその場で真実を伝えることはなかった。代わりに、祖母には次のように説明していたのだという。

「永太は“350万円の借金がある”と言っていました。だからこそ“仕事を変えて返す”とも。しまいには“借金を返すためにバイトしたい”なんて言ったり。“バイトで返せる金額じゃない”と諭したのですが、“おばあちゃんには関係ないよ。大丈夫だから、心配しないでね”と。350万円なんて借金、どうやって作ったのだろうと思ったのですが……」

 山崎は髪の毛も伸び放題でぼさぼさだったため、

「1万円だけ持たせて、“帰りに床屋さんに寄って帰りなさい”と言って、16時ごろ、帰しました。いつも送り出す時、姿が見えなくなるまで玄関先から見送るんです。家を出て角を曲がる時、永太は必ず、こっちを振り返って手を振ってくれる。でもあの時は、私が見送っているのを知っているはずなのに、振り返らずに帰っちゃった」

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