「生活保護を300万円不正受給」「ゴミ屋敷を残して夜逃げ」 ホームレス支援をするオウム元最高幹部が忘れられない「クソ姉妹」
【前後編の後編/前編からの続き】
この5月でオウム真理教の教祖・麻原彰晃が逮捕されてから30年。幹部の多くが極刑に処される中、重大事件での逮捕を免れ、その後の人生を贖罪に捧げているのが、野田成人氏(58)だ。彼は、ホームレス支援として「大家(おおや)業」を始め、オウム被害者へ賠償金を払い続けている。
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【秘蔵写真】総額2億2000万円! 札束を抱えてニッコリ…「麻原彰晃」の欲にまみれた“表情”
前編【元オウム最高幹部が語る、ホームレス支援の「大家業」に人生を捧げる理由 「家賃が回収できず、ゴミ屋敷にされることも」】では、野田氏がオウム真理教に疑問を抱き、脱会するまで、そしてその後ホームレス支援に挑戦した理由について語ってもらった。
野田氏が支援の手を差し伸べても、生活保護を受けながら金を使い込んでしまう店子たちが多いという。パチンコ、パチスロのギャンブルが圧倒的で、その傾向は今も昔も変わらないが、昨今は新たな浪費も見られるようになったという。
「推し活っていうやつですか。この前、高田馬場であった殺人事件の犯人みたいにライブ配信の“投げ銭”やオンラインゲームの課金、アニメやアイドルに注ぎ込む人が増えています」
忘れられない「クソ姉妹」
こうなると「貧困」という言葉の定義も難しくなってくるが、そんな中でも野田氏には忘れられない姉妹がいるという。野田氏は彼女らをあえて「クソ姉妹」と呼ぶ。
「5~6年前、役所から、ある姉妹を住まわせてくれという依頼が入りました。だいたい役所からくる話というのは、あちこちで問題を起こしてたらい回しにされてきた人が多く、彼女らもまたNPOが運営する簡易宿泊所を追い出された人たちでした」
姉は50代前半で、妹は40代後半。生活保護を受けながら家賃滞納をした“前科”がある上、聞き取りをすると、こんな話まで出てきた。
「今いる部屋に鍵がかからないから、アニメグッズとか100万円分くらい盗まれちゃった」(妹)
「そういうのもあって早く出たいんです」(姉)
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