「生活保護を300万円不正受給」「ゴミ屋敷を残して夜逃げ」 ホームレス支援をするオウム元最高幹部が忘れられない「クソ姉妹」
「貧困になるハードルがどんどん下がっている」
この他、野田氏の口からは、ニコニコしながら寸借詐欺を重ねる男の話や、片付けた部屋から腕時計やらボールペンやらの盗品が山ほど見つかった話、ルームメイトから金を脅し取る元ヤクザの話など、支援の数だけエピソードが出てくる。
「そういえば10回も生活保護の申請をした人もいましたね。支援を受けても、何か都合が悪くなると、すぐにお金だけ持って逃げてしまうんです」
先の姉妹同様、支援が支援にならない事例だが、これが今の日本における貧困層の一側面である。
「昔は家庭環境に恵まれず、施設で育てられた人が、世渡り下手で、社会になじめないまま仕事を失い、ホームレスになるというケースが多かったのですが、最近はそうではない。ちゃんとした家庭に育って仕事があっても、月に8万、9万の家賃が支払えなくなってホームレスになる人が出てきました。“稼ぐに追いつく貧乏なし”なんて言葉がありますが、そんなの全然成り立たない。今は貧困になるハードルがどんどん下がっています」
「一度人生を捨てた人は2回目も簡単に捨てられる」
統計では見えない、日本の生身の経済状況が浮かび上がってくるが、だからといって安易にホームレスになることは危険だと言う。
「ホームレスというのは、一度人生を捨てた人なんですよ。一度捨てたら2回目も簡単に捨てられる。10回も保護申請した人なんて、その最たる例です。“福祉慣れ”“支援慣れ”すると、どんどん自分勝手になって、不正受給とか平気でしてしまう。すぐにバレてしまうのにね」
そう言いながら、最近の事例としてスマホの画面を見せてくれた。
「これ、20代の店子のLINEアカウントなんですが、こちらに要求があるときだけつないできて、それ以外はブロックですよ。ある時、彼のLINE画面を見たら未読のメッセージが山のようにたまっていました」
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