「生活保護を300万円不正受給」「ゴミ屋敷を残して夜逃げ」 ホームレス支援をするオウム元最高幹部が忘れられない「クソ姉妹」

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「給料を差し押さえたが、会社を辞めてしまった」

 もはや、怪しさばかりが募るが、それでも野田氏は、

「月6万円のアパートに入ってもらいました。この時二人とも派遣の仕事をしていて、合わせて30万円弱の収入があったので、保護の申請はできませんでした」

 生活保護がない以上、家賃は彼女らが支払う。当初、半月、ひと月遅れだった支払いは、だんだんと滞納がひどくなり、加えて電話にも出なくなった。どうやら水道料金も払っていない。野田氏は最後の手段に出た。

「裁判所に訴えたのですが、彼女らは訴訟慣れしているようで、訴状を受け取らないんです。受け取らなければ裁判は進みませんからね。仕方なく直接部屋を訪ねて手渡しました」

 後日下された判決は支払い命令と、履行されなかった時の強制退去である。

「判決が出た後、多少の支払いはありましたが、相変わらず滞ったまま。仕方がないので手続きを取って二人の給料を差し押さえたのですが、会社に伝わったとたん仕事を辞めてしまったんです」

「支援慣れ」の実態

 結局のところ強制執行による退去となるが、執行の前日、姉妹は夜逃げした。

「ワケの分からないアニメグッズとか漫画とか、部屋はゴミ屋敷ですよ。2トン車1杯分の処分費用も全部こちらの負担ですからね。しかもゴミの中には、かつて暮らしていた自治体から届いた生活保護の不正受給の返還請求の書類まであったんです」

 その額、実に300万円。もはや貧困とは程遠い、支援に甘える「支援慣れ」の実態である。

「これまで、延べ1200人ぐらいの支援をしてきましたが、ずうずうしさにおいては、この姉妹を超える人はいない。たぶん今もどこかで同じようなことを繰り返していると思います」

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