脚本・倉本聰、主演・本木雅弘の話題作「海の沈黙」…モデルとなった「永仁の壺事件」を週刊新潮のスクープ記事で振り返る
60年間、格闘してきたテーマ
11月22日から、映画「海の沈黙」(若松節朗監督)が公開されている。89歳になる巨匠脚本家、倉本聰さんが36年ぶりに手がけた新作としても話題だ。
「間もなく卒寿を迎える方が書いた脚本とは思えない、独特の味わいがある物語です」
と、ベテランの映画ジャーナリストは語る。まずは、どんな映画なのか、簡単に解説してもらおう。
「世界的な画家・田村修三(石坂浩二)の回顧展で、画家本人が、自分の作品のひとつを贋作だと言い出すのです。それは、ある地方の美術館の館長が、その素晴らしさに惚れこんで購入した作品でした。...

