科学的に「糖質中毒」から脱する方法 悪性度ナンバー1の飲食物とは

ドクター新潮 ライフ

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一度依存すれば抜け出すのは難しい

「中毒」や「依存」と聞いて、皆さんが真っ先に思い浮かべるのはなんでしょう。代表的なものには人生を破壊する違法薬物や、明らかに健康を害するたばこへの依存がありますよね。

 では薬物やたばこにすっかり依存した人に、単に「やめればいい」とアドバイスするのは有効でしょうか。恐らく多くの人は、「それができないから中毒なんだよ」と考えるでしょう。

 さらに、違法薬物やたばこについて「健康に害はない」とか「やめようと思えばいつでもやめられる」なんて話す人がいたら……。あなたは、それらがいかに有害で、依存から抜け出すのがどれだけ難しいかをこんこんと説明するのではないでしょうか。

 実は、糖質中毒もこれと同じ。過剰に摂取すると体に深刻な害をもたらしますし、一度依存すれば抜け出すのは非常に難しい。従って、解決のためには薬物やたばこと同様、「どうして有害なのか」「なぜやめられないのか」を正しく理解するのが重要なのです。薬物やたばこは、そもそも生きるために必要ありませんし、有害性も周知されている。それでも時に人はやめられなくなるのですから、生きるために必要で日常的に抵抗なく摂取している糖質ならなおさらです。

「中毒」はもはや自分の意志ではどうにもなりません。くれぐれも「意志の力でやめよう」などと思わないで下さい。意志に頼ると失敗したときに自暴自棄となり、中毒を悪化させかねません。あくまで科学的な根拠に基づいて糖質を遠ざける。意志は関係ありませんから、失敗してもあなたに責任はありません。リバウンドしてもまた淡々とやり直せばよいのです。

白米も玄米も“ほぼ糖質”

〈糖質と距離を置くための第一歩は、糖質を正しく理解すること。だが、一口に糖質と言っても、砂糖からご飯やパン、麺類などの炭水化物まで、その種類はさまざまである。〉

 栄養学の世界では、炭水化物、タンパク質、脂質を「三大栄養素」と呼んでいます。糖質は、この炭水化物から食物繊維を除いたもの。従って、厳密には「炭水化物=糖質」ではありませんが、炭水化物に含まれる食物繊維はごくわずか。実際には炭水化物は“ほぼ糖質”です。例えば食物繊維が豊富とされる玄米ですら、食物繊維の量は1膳(150グラム)当たりたったの2.1グラム。一方の糖質は約51グラムで精白米と大差なく、やはり“ほぼ糖質”です。

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