研ナオコが明かす、中島みゆきやTHE ALFEE、田原俊彦との“リアルな関係性”「トシは、ずっと弟のような存在」

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『Tokyo見返り美人』がファンに大人気、売り上げランキングは「気にしない」

 そして、Spotify第12位には、初のオリコンTOP10入りとなった「愚図」がランクインしているが、同じコンビ(作詞:阿木燿子)×(作曲:宇崎竜童)による「Tokyo見返り美人」も第15位となっている。当時のオリコン最高位では前者が9位、後者が73位と大きな隔たりがあるにもかかわらず、令和の現在、両楽曲が同レベルの人気というのが興味深い。

「でも、『愚図』は宇崎竜童さんが歌ったほうが、いい歌ですよ。あれを聴いたらもう敵わないなって思って、“やっぱり宇崎さんにお返しします”って言ったら、“ダメだよ、これはナオコちゃんに書いた歌だから”と言われたので、自分で歌うことになったんです。

『Tokyo見返り美人』は、今でもよくリクエストをいただくんですよ。SNSでも“大好きです”というお声が多いので、セットリストに入れなきゃまずいなと思って毎回選んでいます。だから、アレンジもロック調でカッコよくしてもらっていますよ」

 同じ都会路線では、前年に発表された「六本木レイン」も第25位にランクイン。本作は、作詞を手がけた売野雅勇が“あまり売れなかったが、とても大好きな歌”として、さまざまな場面で選曲しており、特に吉田拓郎が ♪六本木、レイン、レイン、レイン~ と言葉を重ねる部分が気に入っているという。

「まさか拓郎さんに作ってもらえるとは思ってもいませんでした。これもオシャレで好きですね。最近のコンサートでも歌っています」

 ちなみに、本作もオリコンでは当時78位どまり。これだけ評価が高いのに、当時、結果が伴わなかったことに悔しい思いはなかったのだろうか。

「いえ、私はランキングをあまり気にしていませんね。逆に、順位が上がれば上がるほど圧力がかかっている気がして、“次の曲もヒットさせないとまずいな”って気になります。もちろん、レコード会社側としては、もっと売りたいという気持ちが当然あるでしょうけど、私の中では、“ランキングよりも、常に、自分が好きだと思えるいい曲を歌いたい”という思いが強いんです。でも、もう何十年も経っているのに、こうして今も支持されているのはありがたいことですね」

 研ナオコの話を聞いていると、“一時的に自分をアピールするのではなく、ずっと先の未来においても納得できる自分でいられるか?”と問われている気がしてくる。しかも、どの言葉もユーモアも交えながら優しく語り、決して相手を不快にさせない。だからこそ、幅広いジャンルの幅広い世代から声がかかるのだろう。

 最終回となる次回は、先に旅立った同志への思いや、近年の活動についても語ってもらった。

※第1弾の記事中で、〈「かもめはかもめ」は、研ナオコが歌いながら“黒い涙”を流していた〉とありますが、正しくは「あばよ」歌唱時とのこと、『研ナオコ 中島みゆき作品 BEST アナログ』監修の中崎あゆむさんよりご指摘がありました。ここに修正しお詫び申し上げます。

【研ナオコが志村けんや八代亜紀、りりィら“天国の盟友”への思いを吐露「最期の顔が本当にきれいでした……」】へつづく

【INFORMATION】
CD2枚組ベストアルバム発売中
 歌入り/カラオケのCD2枚組『研ナオコ オールタイム・ベスト』が’23年8月より発売中

名作オリジナルアルバム6作品が初CD化
 4thアルバム『泣き笑い』、5thアルバム『かもめのように』をはじめとする6作品が、’23年10月に初めてCD化。配信も同時スタート

研ナオコ×中島みゆき アナログベストが3月発売!
 研ナオコと中島みゆきが生み出した名曲から選び抜いた24曲を収録したアナログ盤『研ナオコ 中島みゆき作品 BEST アナログ』が’24年3月6日、発売決定

(取材・文/人と音楽を繋げたい音楽マーケッター・臼井孝)

研ナオコ(けん・なおこ)
1953年7月7日静岡県出身。71年、シングル「大都会のやさぐれ女」でデビュー。75年、レコード会社移籍第1弾シングル「愚図」がヒットし、翌年には中島みゆきが作詞・作曲を手がけた「LA-LA-LA」「あばよ」が連続ヒット。以降、「かもめはかもめ」「窓ガラス」など中島みゆき提供作によるヒット曲多数。歌手活動と並行して、CM(「キンチョール」など)やバラエティ番組(「カックラキン大放送!!」「ドリフ大爆笑」など)でのコントも人気に。82年にはサザンオールスターズのカバー曲「夏をあきらめて」が、85年には田原俊彦とのユニット、Toshi&Naokoによるデュエット曲「夏ざかりほの字組」がヒット。近年は、全国各地のコンサートや、梅沢富美男との舞台公演など精力的に活躍中。Xアカウントは(@naokoken77

臼井孝(うすい・たかし)
人と音楽をつなげたい音楽マーケッター。1968年、京都市生まれ。京都大学大学院理学研究科卒業。総合化学会社、音楽系の広告代理店を経て、'05年に『T2U音楽研究所』を設立し独立。以来、音楽市場やヒットチャートの分析執筆や、プレイリスト「おとラボ」など配信サイトでの選曲、CDの企画や解説を手がける。著書に『記録と記憶で読み解くJ-POPヒット列伝』(いそっぷ社)、ラジオ番組『渋谷いきいき倶楽部』(渋谷のラジオ)に出演中。データに愛と情熱を注いで音楽を届けるのがライフワーク。

デイリー新潮編集部

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