研ナオコが明かす、中島みゆきやTHE ALFEE、田原俊彦との“リアルな関係性”「トシは、ずっと弟のような存在」

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『金スマ』で「糸」を歌ったら即日“バズった”、歌唱を通して示したかった思いは

 なお、余談であるが、Spotify第8位の「窓ガラス」(1978年)を歌っていたころは、なんと研ナオコのバックに、大ブレイク前のTHE ALFEEがついていた。

「そのときは、ずっと“研ナオコ with アルフィー”として一緒に活動していて、コンサートでもバックで演奏してくれて。私が着替えている間には、15分くらいのコーナーを設けて、彼らに場をつないでもらっていました。今でも、THE ALFEEの3人とはいつ会っても変わらずの関係です。50周年のコンサートは観に行かないとね」

 また、研ナオコは15年のデビュー45周年アルバム『雨のち晴れ、ときどき涙』では「糸」をカバーしている。その前年、テレビ番組“金スマ”こと「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBS系)にて、彼女が個人事務所の後輩の青木隆治と「糸」を二人で歌ったところ、中島みゆき版の「糸」がダウンロードのデイリーチャートで20位圏外から1位に急上昇するという現象が起こった。もし、このときに研ナオコ版が発売されていたら、同時にヒットしたことだろう。

「いやいや! みゆきちゃんのが売れていいんです。あのころは、とあるテレビ番組で隆治を取り上げてくれるというので、歌う様子を見ていたら、彼の番組スタッフに対する姿勢が良くなくて。それで私が言ってあげないと誰も言えないと思い、隆治に少しきつめに注意したんです。その後、その様子を『金スマ』が取り上げてくださって、『糸』を二人で歌うことになったんです。“歌は、技術だけで歌い上げればいいってもんじゃない”ということを無言で示したのが、観ている方に伝わったのかもしれませんね」

 研ナオコの「糸」は、細くてもしっかりと相手を結びつけるような強さが表れており、さすが長年、中島みゆきの楽曲を歌ってきただけの貫禄を感じさせるので、今後、研ナオコ版もストリーミングで注目される気がする。

田原俊彦からのサプライズにビックリ! ラジオ局では、ゆずを“ナンパ”

 ここからは、中島みゆき作以外の人気曲を見ていこう。まず、Spotify第4位は、’85年に田原俊彦とのデュエット曲としてヒットした「夏ざかりほの字組」。作詞を阿久悠、作曲を筒美京平が手がけ、シティポップ系の人気曲も多数手がける新川博が編曲を担当したことからか、総再生回数の約2割がアメリカで聴かれている。これは、研ナオコ作品としてはかなり高い割合だ。ちなみに、この年、研ナオコと田原俊彦はバラエティー番組『カックラキン大放送!!』(日本テレビ系)で共演している。

「この歌、海外で人気なんですか!? 今、うちの子どもたちもアメリカにいるから、もっと広めてもらおうかしら?(笑) トシとは、以前からずっと仕事を一緒にしていましたが、このタイミングでトシのスタッフの方から声がかかりました。それで、“トシだったらなんでも協力してあげたい”と思って、すぐに引き受けたんです」

 この前年、チェッカーズや吉川晃司、安全地帯などが次々とブレイクし、田原俊彦や近藤真彦、シブがき隊といったそれまでの人気アイドルは苦境に立たされたこともあり、その起爆剤として本作が企画されたのかもしれない。その親しみやすさからか、各種ランキングでTOP10入りを果たし、研ナオコとしては「夏をあきらめて」以来、約3年ぶりに「ザ・ベストテン」(TBS系)にランクイン。なお、23年に行われたコンサートの東京公演では、田原俊彦がサプライズで出演し、急きょ本作をデュエットするというコーナーも盛り上がった。

「あのときは、本当にビックリしました! スタッフ全員で黙っていて、リハーサルから私を騙していたんです(笑)。『夏ざかり~』は、その何年か前のトシのコンサートで、逆に私がサプライズで出演したときにも歌いました。でも、それより前となったら、もう十何年も一緒に歌っていなかったので、本当に緊張しました。

 この歌は、ハモリの部分がめちゃくちゃ難しいんですよ! ですから、練習しないと分からなくなっちゃう。なのに、いきなり本番で歌って、1コーラス目は本調子じゃないし、2コーラス目から探り探り歌って、“ようやく息が合い始めた!”って思ったら歌が終わっちゃいました(笑)」

 研ナオコ本人は、そう謙遜するが、実際のステージは息もピッタリで、絆の深さが見てとれた。

「トシは、ずっと弟のような存在ですね。何かあれば必ず来てくれるし、こちらも“おい、大丈夫かー?”って事あるごとに声をかけるし、本当に可愛い子ですよ。私は、大人数で集まるのはちょっと苦手なんですが、好きな人には電話番号を聞いてすぐ連絡を取るようにするんです。以前、ラジオ局でゆずの二人にばったり会って、番号を交換しました」

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