【クーアンドリク】ペットを失った客の怒りを逆撫でする「1頭売ったら1万円ボーナス」社内イベントの不見識 流通経路では「年間750頭の犬・猫が死んでいた」

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 デイリー新潮はペットショップ最大手「Coo & RIKU(クーアンドリク)」の内部で管理されている「D犬リスト」(DはDEADの頭文字)を同社関係者から入手した。リストによると、昨年8月から今年7月までに同社が仕入れた後、店舗などの流通経路で亡くなった犬・猫の総数は751頭に上る。また、営業手法に批判が強まっている最中にもかかわらず、同社が先月、店員の販売頭数を競う「報酬付きイベント」を開催していたこともわかった。その不謹慎極まりないイベントの内容とは……。

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クーリク社員が簡単に辞められないワケ

「お客様とのトラブルが多発している原因は、ひとえに人員と教育の不足です。次々と社員が辞めていく中、本部は『去る者は追わず、求人をかけて補充すればいい』という考えのもと、ひたすら拡大路線を突き進んできました。結果として、生体の知識がないほぼ新人の従業員が、2人だけで回しているような店舗が複数あります」

 こう語るのは、クーアンドリク(以下、クーリク)の某店舗で現在も勤務している女性社員である。

 デイリー新潮は8月5日から9月9日までの間、クーリクに関する6本の記事(週刊新潮の転載記事1本を含む)を配信した。一連の記事で伝えてきたのは、引き渡し直後に子犬がパルボウイルス感染症で死亡したケースなど同社が抱える複数の顧客トラブルや、同社が運営するゴキブリだらけの繁殖場などで犬・猫が杜撰に管理されている実態だった。

 この間、東京・秋葉原のクーリク本部や全国の店舗で勤務する社員やアルバイトが、肩身の狭い思いをしてきたことは想像に難くない。女性社員が続ける。

「親からは『もう辞めたら』と言われます。もちろん私たちもみんな、この会社がメチャクチャだということは分かっている。けれど、そんなに簡単に辞めるわけにはいかないんです。なぜなら、私たちの多くは動物が好きでこの会社に入ったから。自分たちが辞めたら犬や猫たちがどうなってしまうんだろうと考えると、二の足を踏んでしまうのです」

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