【大川原化工機冤罪事件】東京地検は立件できたのに取り下げてやったの態度、捜査員は財務諸表の読み方も分かっていなかった感じ…現役社員が証言する“杜撰すぎる捜査”

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「闘ってよかった」

 初沢さんは、起訴を取り消した塚部貴子検事にも直接調べられた。

「塚部検事の部屋に呼ばれて『弁護士からレクチャーを受けているでしょ』と、なんだかこちらが悪いことしているような感じで言ってきましたね。あと、塚部検事の部下の検事は、警察の調書を見て、これは『無理やりかな』みたいなことを言っていました」(初沢さん)

 高田弁護士は「貿易担当の女性Aさんと社長の右腕だった初沢さんも逮捕予定者でしたが、最終的な逮捕は社長ら3人だけということで免れました。初沢さんは塚部検事が直接取り調べた唯一の社員だったのです」と話す。

 初沢さんは最後にちょっぴり自慢げに話した。

「やはり、相手にまったく妥協せずに正攻法で戦ったことがよかった。CALL4(公共訴訟の支援に特化したWEBサイト)のコメントを見ても、戦ったことを高く評価するコメントが多かったですよ」

粟野仁雄(あわの・まさお)
ジャーナリスト。1956年、兵庫県生まれ。大阪大学文学部を卒業。2001年まで共同通信記者。著書に「サハリンに残されて」(三一書房)、「警察の犯罪――鹿児島県警・志布志事件」(ワック)、「検察に、殺される」(ベスト新書)、「ルポ 原発難民」(潮出版社)、「アスベスト禍」(集英社新書)など。

デイリー新潮編集部

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